お酒を自由に楽しみ、セレンディピティな出会いを

WINE

6月30日まで東京・八雲茶寮で「ドン・ルイナール2010」ペアリングコースを提供

「神は細部に宿る」シャンパーニュとはまさにドン・ルイナール

シャンパンは実に不思議なワインだと思う。記念日はもちろん、何かをなしえたとき、何かを失ったとき、そのときどきすべてにおいて飲む人を何かしら笑顔にしてくれる。そんなシャンパンのなかでもシャンパーニュ・メゾンの「ルイナール」はシャンパンラヴァーへMy favorite champagneは何かと聞くとかなりの確率で登場し、ラグジュアリーホテルのハウスシャンパンとしてオンメニューされることも多い人気の高いワインだ。まずはビギナーの皆さんにも理解を深めていただくために、メゾン・ルイナールについてお話しよう。
ルイナールは1729年に創設された世界最古のシャンパーニュ・メゾン(シャンパーニュの製造業者)。ベネディクト派修道会の高僧ドン・ティエリー・ルイナールが、甥のニコライにシャンパーニュの瓶内二次発酵の製法を伝授したことで、そのニコライによって創設されることになる。ちなみにドン・ルイナールはシャンパーニュ造りに長けた人物で、一時は、ドン・ペリニヨン修道士とともに働いていたこともあるといわれている。
ルイナールのシャンパーニュは、コート・デ・ブラン地区とモンターニュ・ド・ランス地区で収穫されたシャルドネをメインに、ピノ・ノワールを使用。厳選されたブドウを巧みにブレンドすることで、シャルドネの個性が最大限に引き出された上品な味わいから「シャルドネハウス」とも呼ばれている。
シャンパーニュの熟成は、地下深くにある古代ローマ時代の石灰岩で出来た石切り場跡で、歴史的建造物にも認定されている「クレイエル」で行われる。このクレイエルがなぜ素晴らしいのかというと、中は温度が安定していて振動がなく、湿度もちょうどよい。シャンパーニュの熟成には最高の環境というわけだ。
創業当初から変わらぬ伝統的製法を磨き上げて、今なお最高峰のシャンパーニュを造りだしているが、もう一つルイナールの素晴らしさは常に「温故知新」であり続けていることである。

「ドン・ルイナール2010」の革新性

メゾン・ルイナールのシャンパンは「ルイナール」と「ドン・ルイナール」があり、「ルイナール」は“ロゼ(シャルドネとピノ・ノワール)”と“ブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)”の二種類が「ノン・ヴィンテージ」として毎年造られている。あえてグラン・クリュ(特級畑)ではなく、プルミエ・クリュ(1級畑)のブドウを使っている。これはグラン・クリュのブドウは一般的に酸度が高く、長期熟成向きであること、一方、プルミエ・クリュのブドウは酸味がほどよく、長期熟成しなくても(3年以上の熟成)まろやかな味わいになることからプルミエ・クリュのブドウが使用されている。その優しい味わいをもって、「水のように飲めて、水より美味しい、朝の9時から次の日の朝の9時まで飲めるシャンパーニュ(24時間いつでも)」ともいわれる。
そして「ドン・ルイナール」はシャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。コート・デ・ブラン地区、モンターニュ・ド・ランス地区のグラン・クリュ(特級畑)から100%収穫したシャルドネを使用。さらに最良のブドウが採れたときにしか造られないドン・ティエリー・ルイナールの名を冠したトップ・キュベであり、ブラン・ド・ブランの最高峰といわれている。熟成は通常は最低9年以上だが、2010は従来よりも長い10年以上となっている。

「ルイナール」の「温故知新」とは何か? 「ドン・ルイナール2010」の醸造プロセスも一例で、澱の上で熟成させるためコルク栓を使用したことである。1990年代に実験的にコルク栓を使用し、10年の熟成後にテイスティングしてみるとクラウンキャップと比較して、コルク栓に方が「フレシュ感」が強かったという。その後もさまざまな角度から検証した結果、コルク栓を使用し長く熟成させることで、フレシュ感に加えて複雑さのある繊細な味わいに仕上がったという。そしてもう一つ、コルク栓にしたことでデゴルジュマン(澱引き)を手作業にし、ワインの品質を一本ずつ確かめながら作業しているという。また、ルイナールは環境面に配慮しつつ革新的に推し進める造り手であることは有名である。記憶に新しいところでは日本では2021年に登場したサステイナブルパッケージ「セカンドスキン」。ギフトボックスより9倍軽く、二酸化炭素排出量を60%削減したウッドファイバーのパッケージで、もちろん100%リサイクル可能だ。2010では100%紙でできたパッケージはルイナールが熟成される「クレイエル」をオマージュしたチョークストーン(石灰岩)を模したシンプルでエレガントな仕上がりになっている。

ここでルイナールラヴァーにとっておきの情報をお伝えしましょう!

6月30日まで東京・八雲茶寮でドン・ルイナール2010ペアリングコースを特別提供

今回のドン・ルイナール2010においては、その魅力を語るイメージビデオが制作されており、ブドウやコルクの木の育成、シャンパンの熟成など、ルイナールのブランド理念が紹介されており、「SIMPLICITY」代表の緒方慎一郎さんも出演している。その緒方さんが亭主を務める「八雲茶寮」は、「五感で感じる食の旨味」とそれを実現させる職人の技で織りなす究極の料理屋。そう、これはルイナールのワイン造りに共鳴・重なる部分も多分にある。そんな八雲茶寮で新鮮な食材、季節の食材をドン・ルイナール2010のペアリングでシェフが「季節のおまかせ料理」を提供してくれる、贅沢な内容だ。

左から「水茄子」「鯒湯洗い・鯵」「煮鮑」

左から「初夏野菜(冬瓜・素麺南瓜・隠元)」「近江牛と金時草のすき煮」「新生姜ご飯」

また、緒方慎一郎さんが登場したルイナールのスペシャルムービーは下記をご覧ください。

八雲茶寮×Dom Ruinart2010
提供期間/~6月30日金曜日
定休日/月曜日・火曜日
時間/12:00~21:00
住所/東京都目黒区八雲3-4-7
予約/03-5731-1620※予約は前日まで
料金/33,000円(税込)※食事代のみ、別途サービス料10%

RELATED

PAGE TOP