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ミラノで開催された酒チャレンジで再確認されたパルミジャーノ・レッジャーノには日本酒がとても合うという真実

イタリア・ミラノで開催された日本酒品評会「ミラノ酒チャレンジ2023」にて。パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会における「パルミジャーノ・レッジャーノ賞」として、熟成の異なる3種類のチーズそれぞれにマッチする日本酒が選ばれた。これ、単なるコラボ企画ではなく、「パルミジャーノ・レッジャーノ」には日本酒が合う、理論的なワケがあった。今夜の晩酌はパルミジャーノ・レッジャーノと日本酒で決まりなのである!

「パルミジャーノ・レッジャーノ」とはどんなチーズ?

まずは「パルミジャーノ・レッジャーノ」というチーズ、名前は聞いたことがある人は多いだろう。食べたことがある方も多いと思うが、ちょいと説明しよう。
イタリアチーズの王様と称されるパルミジャーノ・レッジャーノは、約1,000年の伝統を守る北イタリアの特定地域でのみ生産されたものを指している。添加物を一切使わずに職人の手により作られ、通常は約2年という長い熟成の間に育まれる深い旨味と独特な食感が特長だ。パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(1934年に設立されたこのチーズの全生産者が所属している非営利団体)はその1000年の伝統を守るため、生産されるすべてのチーズについてそれらの熟成期間中に厳重な検査を行い、そのうえで約2年かそれ以上の長い熟成に適しているものを“Parmigiano Reggiano”(パルミジャーノ・レッジャーノ)、熟成12ヶ月の時点で微小な傷や内部にわずかな欠陥が見られるものを“Parmigiano Reggiano Mezzano”(パルミジャーノ・レッジャーノ・メッツァーノ)と等級を分け、チーズの表皮に焼印などでマークを付けるなど厳しい審査を合格したものだけがその名を名乗ることができる。熟成が進むとアミノ酸が結晶化して、じゃりじゃりとした食感に加え、しっかりとした旨味と豊かな香りが感じられるのも特徴。
このチーズの本来の姿は30kg以上もある大きなかたまりで、長い熟成期間に水分が減っていくことで非常に硬質なチーズになっていくため、専用のパルミジャーノ・レッジャーノ用ナイフ(アーモンドナイフ)で切り分ける。
日本では12ヶ月熟成のものは輸送過程の問題があり入手は難しい。24ヶ月熟成のものが一般的で、最も人気が高い。
ちなみにパルメザンチーズは、イタリア語の「パルミジャーノ・レッジャーノ」を英語名にしたもので同一のものと思っている方もいるかもしれないが、両者は全く異なる種類のチーズ。パルメザンチーズは産地に明確な定義がなく、要は粉チーズの総称なんです。

ミラノ酒チャレンジとは?

試飲審査会

2019年にイタリア・ミラノで創設された日本酒品評会。その内容は酒審査の他、デザイン審査(ボトルやラベルデザイン)、イタリア料理と日本酒のマッチングをテーマとしたフードペアリングなどを行っていることが特徴だ。2023年は、利き酒テイスティング部門の審査員90名とデザイン部門の審査員45名を合わせた総勢135名の審査員が548銘柄を審査した。また、「パルミジャーノ・レッジャーノ特別賞」のためにパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会公式テイスター10名が審査に参加。あらかじめセレクトされた日本酒52アイテムから12ヶ月、24ヶ月、40ヶ月熟成の3種類のパルミジャーノ・レッジャーノに合う3銘柄が選出された。これは「パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会」が初めて日本酒を試飲した感想が「このお酒はワインよりもパルミジャーノ・レッジャーノに合う!」と感嘆したことも発端だったとか。

ロレンツォ・フェラボスキさん

ミラノ酒チャレンジの主催者の一人であるロレンツォ・フェラボスキさんは「パルミジャーノ・レッジャーノと日本酒はどちらも同じ発酵食品であるという共通点があります。両方とも旨味のもとであるアミノ酸を豊富に含んでおり、一緒に味わうことで味の相乗効果が生まれます。昔ながらの伝統的な製法を受け継ぎ、職人が丹精を込めて作っているという点も共通していますね。」と語ってくれた。 イタリアは郷土愛が特に強いお国柄。北イタリアを代表する郷土チーズに異国のお酒が合うと絶賛されたことが、かなりすごいことだと感じた。またパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会は、「今後もパルミジャーノ・レッジャーノの魅力や楽しみ方、日本酒など様々なドリンクとの相性を訴求してまいります」と発表している。

受賞された酒蔵(左から二番目)「大吟醸 雪彦山」(壺坂酒造/兵庫県)、三番目「陸奥八仙 ISARIBI 特別純米 火入れ」(八戸酒造/青森県)

【受賞日本酒】
12カ月熟成とのペアリング:「大吟醸 雪彦山」(壺坂酒造/兵庫県)
24カ月熟成とのペアリング:「陸奥八仙 ISARIBI 特別純米 火入れ」(八戸酒造/青森県)
40カ月熟成とのペアリング:「All Koji 全麹純米仕込み2021」(南部美人/岩手県)

2024年の「ミラノ酒チャレンジ」は」2024年6月9日~11日イタリア・ミラノにて開催される予定。2024年は「パルミジャーノ・レジャーノ」だけではなく「サン・ダニエーレ生ハム」とのベストペアリングも選ばれるという。こちらの結果も楽しみだ。

ミラノ酒チャレンジ公式サイトはココをタップ(外部サイト)

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山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

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