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WINE

食との相性◎、ドイツのリースリングは奥深いというおはなし

文/山田 久美子

ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」さんと
白金台のフレンチレストラン「ジョンディ・アッシュ」さんのコラボレーション企画
「世界をまるごと味わう旅 ‐ 新・大航海時代!」の

第2弾のテーマは「うっとりする艶やかさ。ドイツワインの深遠な世界」。

こちらも合わせてお読みください
レコール・デュ・ヴァンとレストラン「ジョンティ・アッシュ」によるコラボレーションイベント「ペアリングの原型を求める旅」の締めくくりでもある第10回目~フロマージュ編~はこちら

この企画は世界各国の料理とワイン、そのほかのお酒をテーマとして開催しており今回はドイツワインを存分に楽しむ回。
ジョンディ・アッシュさんの平野シェフは、いつもの芸術的かつ繊細なフレンチではなく、ワイン講師吉住さんがセレクトしたドイツワインとシナジーを生み出す、味わい深いドイツ料理を用意してくださいました。

ドイツのワイン生産地域は世界のワイン地域の中で最北に位置しておりぶどうの成熟期間が長いため、アルコール数が低く芳香とフルーティさに富んでいるとのこと。
ドイツワインというと「甘い」というイメージをお持ちの方がいるのは、この自然の糖分と土壌のミネラルを蓄積してゆっくり成熟した結果世界に類のない豊かなアロマのせいかもしれませんね。

この日セレクトされたワインは、バック ヴィンテージがなんと3種類も!
ジルヴァーナーというフルボディながらフルーティな酸味が特徴の品種のスパークリングで始まり、次からは1999年、1991年、1988年とリースリング三種のバックヴィンテージが続きます。
面白かったのは「リースリング」を軸にしていることで、同じ品種が熟成の方法でこんなに変わるのか!!
という驚きを体感できたのは大変貴重な経験でした。

その後も収穫量が少なくまれな品質であるピノ・マドレーヌ、ベリー系だけでなくピーマンのような植物系の香りを持ち合わせるレンベルガーと素晴らしい赤ワインが続き、最後はデザートのキルシュトルテに合わせた、ゆっくり熟成されて甘味はあるけどフレッシュなプチプチ感も感じられる2028年リースリング シルバーベルク アウスレーゼ。
洋酒に漬けたさくらんぼとチョコレート、添えられたスパイスが香るアイスクリームと共に口に含めば、もう両方の味わいが際立って香りは昇りあがり至高の味のコラボレーションとなりました。
今回とワインと料理のペアリングは……。

Silvaner Sekt 2018/Horst Sauer
マウルタッシェン(ひき肉と野菜のパスタ生地包み)
肉食NGの聖金曜日にお肉が食べたくて思いついた料理だとか

ジルヴァーナーのコクのある酸味とスープの味わい深さが相性ぴったりでした。

Graacher Himmelreich Riesling Kabinett 1999/Joh.Jos.Prum
サーモンのムニエル グリューネ・ゾーセ
ヨーグルト、サワークリーム、マヨネーズに刻んだ香草やにんにく、玉ねぎなどを入れて作られるグリューネ・ゾーセというソースが絶品でした! ジャガイモやゆで卵にも合いました! あのゲーテも愛した味とのこと。

このソースの香草の香りが、このワインのビンテージ1999年の熟成によるコクのある香りのなかにも滑らかに残っている酸味と相まって最高でした。

Erbacher Marcobrunn Riesling Spatlese1991/Schloss Schonborn
レバーケーゼ

ひき肉にスパイスを加えてパウンドケーキのような形で蒸し焼きにしたもの
練り物的な燻製に近い味わいリースリングの熟成されたペトロール香が合いました

Bernkasteler Badstube Riesling Spatlese  halbtrocken VDP.Grosse Lage 1988/Dr.H.Thanisch
アイスバイン
ビアホールでしか食べたことがない私は、アイスバインの概念が180度変わりました!
5時間煮込んでトロトロになったコラーゲンの甘みと旨味が、熟成ワインの甘い香りでより際立っていました。

Pinot Modeleine Glanzstuck Trocken 2017/Marc Josten
グラーシュ(牛肉の煮込み ハーブ入りマッシュポテト添え)
収穫量が少なくまれな品質であるピノ・マドレーヌ、はピーマンのような植物系の香りを持ち合わせ
爽やかなベリー感のあるピノ・マドレーヌを口に含むとさらに一体感が増しました。
牛肉の煮込みにハーブの効いたマッシュポテトが添えられたグラーシュが出された際、平野シェフが「ポテトも混ぜて絡めながらお召し上がりを」とおっしゃっていたので、そのように食してみると、牛肉だけで食べるのはもったいない!と思うほどに混ぜて食べると、もう別々には食べられない!

口の中で完成品となる素晴らしい味でした。

ジョンディ・アッシュさんによくいらっしゃるという方と同じテーブルになりお伺いしたところ、
平野シェフのお料理は多くの食材が一皿に使われているけれど、 それを一つひとつ味わうのではなく全て一緒に食すと新たに素晴らしい味が生まれるという、全ての食材に意味があったのだと感じられるのだとか。

Lemberger VDP.Grosse Lage 2016/Schlossgut Hohenbeilstein Schlosswengert ルーラーデン
ピクルスを牛肉で巻いて、メインディッシュに。
ソースのコク深い味とピクルスの爽やかな香りが合わさり、黒ベリーと植物系の香りを合わせ持つレンベルガーとよく合いました。

Riesling Silberberg Ayslese 2018/Karl Pfaffmann
キルシュトルテ
ドイツの伝統菓子

ゆっくり熟成されて甘味はあるけどフレッシュなプチプチ感も感じられる2018年リースリング シルバーベルク アウスレーゼに合わせたのはデザートのキルシュトルテ。
キルシュトルテはクリスマスによく食べられるもので、アイスクリームにスパイスを効かせてよりノエルに!
洋酒に漬けたさくらんぼとチョコレートのケーキ、添えられたスパイスが香るアイスクリームと共に甘みとフレッシュさを兼ね備えたアウスレーゼを口に含んだら昇天しました。

お料理も全てそれぞれのワインの個性に合った味わいとなっていて、
料理を食べるとワインを味わいたくなり、ワインを味わうとまた料理が食べたくなる
という無限ループ状態でした。

次回は南アフリカ編で開催され、テーマは
「レインボーネーション。七色に輝く食卓」とのこと。
数多くの歴史と文化を持った民族・多くの人種が生活を共にしているため
11もの言語が採用され、多民族国家ゆえにレインボーネーションと呼ばれている南アフリカ。
それをテーマにするなんて、どんな歴史や背景を持ったワイン、スタンダードだけど個性的なワイン、独特のワインがセレクトされるのか。
そしてそれらのワインに合わせて平野シェフはどのようなお料理を創作されるのか、どのように一皿ひと皿において素材・味の融合を完成させるのか、楽しみでしかありません!

ご興味ある方・参加希望の方は下記をタップ
「世界をまるごと味わう旅 – 新・大航海時代! – 」第3弾南アフリカワイン編昼の部 
「世界をまるごと味わう旅 – 新・大航海時代! – 」第3弾南アフリカワイン編夜の部

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山田久美子

人材系シンクタンクにて営業・マーケティングに従事。 日々のストレス解消・リフレッシュに水泳とサウナ、その後の晩酌を楽しむ。年に一度は長く休暇を取って、バリ島東部の静かなリゾート地でマインドリセットすることはすでにルーティン。お酒はワイン、ウイスキー、焼酎、日本酒と全般的に大好き。活動エリアは恵比寿と広尾が多いかなっ?。

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