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WINE

Part 1 ワインはコノスル、ツマミはコンビニ&スーパーで、お手軽リッチなペアリング探検

取材・文/山本ジョー 写真/小松勇二、山本育子
コンビニエンスストアやスーパーは、今やワインラバーの駆け込み寺だ。ワインもツマミも品数豊富で、「よし飲もう!」と思い立った瞬間にいつでも駆け込める。
「……え~、コンビニのツマミでワイン飲むの~?」なんて文句はナンセンス!コンビニでゲットできるツマミは今やレベル最強、合わせ方次第で至高のハーモニーが誕生するのだ。「ホントかなぁ??」とまだまだ疑いの晴れない皆様のため、ワインにもコンビニにも精通する意外な2名が指南役を務めてくれることと相成った。
センス抜群なコスパ良ワインの代表格、チリのコノスルを脇に抱えて、さあ刮目せよ!
合わせて読む 後半は岩瀬大二さんセレクトです。
ワインはコノスル、ツマミはコンビニ&スーパーで、お手軽リッチなペアリング探検 Part
2

自転車ラベルでお馴染み コノスルとは?

1993年の設立以来、チリワインの目覚ましい発展に大きな貢献を果たしてきたコノスル。お手頃価格のベーシック・ブランドでも目覚ましい品質を誇るほか、周辺の大自然や労働者の環境へ深い理解を持ち続ける企業姿勢により、世界中のワイナリーが目指す理想的ポジションを確立してきた。
ワインラベルにあしらわれている自転車は、実際にスタッフが広大な畑を行き来するためのエコな移動手段。また、雑草や害虫対策として羊やアヒルを畑に放つなど、サスティナブルな農法、有機農法に力を入れている。

指南役その壱 紫貴あき
ソムリエ・ワインエデュケーター
why not?でもお馴染み、優しい語り口が魅力のワイン専門家。高級フレンチを毎日ほほ笑みながら口に運んでそうなルックスとは裏腹に、夜遅い帰宅の際は必ずコンビニへ駆け込みホットスナックを手にとるのがお約束。

指南役その弐 岩瀬大二
ライター/MC・DJ/イベントプランナー
世界中のワインと旅と、昭和歌謡をこよなく愛すライター兼ワイン講師。学生時代にコンビニバイト経験あり。ワインの味わいをイメージしつつ、コンビニの総菜コーナーに無言で立ち尽くす後ろ姿は、まさに瞑想中の名僧の如し。

コノスルはチリワインのパイオニア

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紫貴「身近なスナックは、ワインにとても合います。なのに、ワインラバーからはつい敬遠されがちなのが残念なんですよね」
岩瀬「そうそう! 僕も、ワインとスナックはとても相性がいいと常日頃から思ってました! さあ、今日は僕の十八番である矢沢永吉メドレーを歌いながら一緒にワインを飲み明かしましょう♪」
紫貴「……違いますよ? カラオケスナックでなく、コンビニエンスストアやスーパーでも手軽に入手できるつまみとしてのスナック」
岩瀬「え、え、えーと、当然そっちのスナックだと僕も思ってました、思ってましたよ、ハハハ」
紫貴「(疑いの眼を向けつつ)スナックとワイン、岩瀬さんは合わせたご経験あります?」
岩瀬「もちろん! 実際、コンビニで手に入るようなスナック、すなわち袋菓子、またホットスナック、さらにチルド製品を含め、どれも複雑な味のものが揃っています。複雑な味の食には、ストレートな味わいのシンプルな酒よりもワインがピッタリくるんです」
紫貴「とくに、塩気が強いツマミだと、自然とワインがしっくりきます。塩味と酸味は、ワインのタンニンを和らげてくれますから」
岩瀬「ただツマミの味を洗い流すのでなく、ツマミと酒が手を取り合って次の世界へ進んでいける、それこそがワインです」
紫貴「そのワインのなかで、『多彩なツマミに寄り添う』『カジュアル』『私たちプロも満足できるクオリティ』となると……ここは、やはり……」
紫貴・岩瀬「コノスル!」(昭和歌謡のデュエット曲のように見事なハモリ)


紫貴「“コノスル”はエントリーレベルからプレミアムレンジまで造っていますが、今回のビシクレタシリーズは上質ながら、低価格を実現しているチリのワイナリーですよね」
岩瀬「僕、チリまで行ってコノスルのワイナリーを訪問したことがあります! 広大な自然派の畑をワインメーカーと一緒に自転車で走り抜け、リーズナブルなチリ産ワインへの偏見が覆されました」
紫貴「リーズナブル価格のワインを造っているにも関わらず、あの品質を保持するのは誰もができることではありません。私も現地を2回訪れる機会に恵まれましたけど、チリワインのパイオニアとしていつもチャレンジ精神に充ち溢れていました」
岩瀬「ということで今回は、我々がチャレンジ精神を発揮していく番。思い入れタップリなコノスルワインとコンビニスナックのペアリング、まず前編は紫貴さんの考えるベストを披露してください!」

紫貴さんにペアリング提案いただいたワイン。左からコノスル ビシクレタ レゼルバシリーズ「ピノ・ノワール」「ファミリーマート特別限定マルベック」「シャルドネ」「ゲヴュルツトラミネール」

コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ レゼルバ×ファミチキ

❤紫貴’s highly recommended! 01

「コノスルのピノ・ノワールは、まず1000円を切る価格でこの品種を味わえるのが素晴らしい! ザクロ、サワーチェリー、ナツメグや皮革の香りがあり、タンニンはなめらか。重たいと思われがちなチリワインですが、こちらは軽快でエレガントなスタイルです。
私のオススメは、ファミチキ! 夜遅くにファミリーマートへ駆け込んだときは絶対買う私の定番です。最後の1個が残ってないとガッカリするほど。スパイシーな料理はワインと合わせる難易度が高くなりがちですが、さほどアルコール感の強くないピノ・ノワールなら、ほどよくスパイシーなチキンの白身肉とバランスがとれるのです」
▷岩瀬’s Impression
「高貴なイメージがあり、紫貴さんのような女性が普段から飲んでいたらいいなと思える品種のピノ・ノワール。コノスルの場合、フレンドリーながら、やはり繊細できれいな造りです。そこへファミチキを合わせてくるところにギャップを感じたけれど、口中をリフレッシュさせながら余韻の印象を上げてくれるペアリングですね」

WINE DATA
コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ レゼルバ
産地/セントラル・ヴァレー
品種/ピノ・ノワール100%
希望小売価格/927円(税別)
チェリーやプラムが香り、複雑な味わいを持つ、ミディアムボディの赤ワイン。大部分を手摘み収穫の上、30%を樽で、70%をステンレススチールタンクで9ヶ月熟成。


コノスル マルベック ビシクレタ リミテッド・エディション×ローマ風トマトソース

❤紫貴’s highly recommended! 02

「アルゼンチン産のマルベック全般と比較すると、しっかりとしたタンニンを持ちながらけして重すぎない印象です。プラムや小梅、オレガノ、トマトの葉も香ります。干ばつが続き夏の暑さが厳しい年でも、収穫のタイミングを早めに見極めているとコノスルの生産者から聞いていましたが、その工夫のたまものです。
ツマミとしてパスタソースをあれこれ試した上で、このトマトソースが一番マルベックに合いました。野菜がいっぱい入っているので重くもなく、しっかりした塩気がマルベックの果実味を引き立てる。仕事を終えて『私、何食べたらいいの……』とクタクタな夜、これをパンやクラッカーにつけて食べつつマルベックを飲めば救われます!」
♠岩瀬’s Impression
「封を開けるだけで食べられ、いざとなれば皿も用意しなくていいパスタソースがツマミとは、なんてコンビニらしい手軽さ! そして、マルベックにトマトソースという発想も僕にはありませんでした。問題は、酒が進んじゃうってとこ。1杯で終わらず、ボトル半分は空きますよ」

WINE DATA
コノスル マルベック ビシクレタ リミテッド・エディション
産地/セントラル・ヴァレー
品種/マルベック100%
ファミリーマート通常価格/828円(税別)
ファミリーマートでのみ入手できる限定版。マルベックらしい濃厚な色調、プラムをはじめとする果実の凝縮感ある風味とともに、豊かながらなめらかなタンニンを併せ持つ。


コノスル シャルドネ ビシクレタ レゼルバ×スモークサーモン

❤紫貴’s highly recommended! 03

「このシャルドネはオーク樽を使っていないので、レモン、青りんご、パイナップルが香り、キレのいい酸味が持ち味の爽やかなタイプのワインとなっています。ほのかにパンドミーもニュアンスも感じられます。
チリはサーモンの一大産地であり、セビーチェ(魚のマリネ)という郷土料理もあるんです。個人的にサーモンのセビーチェが大好きなので、上品な脂がたっぷりのっているサーモンを、このシャルドネに合わせたかった。サーモンにワインの酸味がスッと調和してくれるペアリングです」
♠岩瀬’s Impression
「一般的なシャルドネより明るい印象があり、昼に明るい太陽の下で飲みたくなるワインですね。燻製で旨味を凝縮させたサーモンにキラキラしたシャルドネが寄り添って、とてもハッピーな組み合わせ。チリの食文化をコンビニで追体験できちゃう点も素晴らしいです」

WINE DATA
コノスル シャルドネ ビシクレタ レゼルバ
産地/チリ
品種/シャルドネ100%
希望小売価格/927円(税別)
ステンレスタンクでの4か月熟成により、フレッシュ感と柔らかな酸味のバランスが心地よい仕上がりとなったミディアムボディの白ワイン。パイナップル、ハーブ、白い花が香る。

コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ レゼルバ×チーズのようなポテトチップス

❤紫貴’s highly recommended! 04

「コノスルがチリで最初に植えた品種のひとつが、このゲヴュルツトラミネールなのです。ライチ、バラ、ジンジャーが香る王道スタイルで、アルザス産のオフドライなタイプと似ている辛口ですが、オイリーさもあるのが特徴的。
合わせたいのは、私が夜10時くらいの晩酌タイムにいつも家で食べている、このスナック。アルザスの郷土料理『タルトフランベ』を彷彿とさせるほど、チーズそのものを食べているような風味です」
♠岩瀬’s Impression
「かりかりチーズの旨味を感じた後、ポテト風味が追いかけてくるスナック。ワインを合わせることで全体が丸くコーティングされ、ハチミツをまとわせたような印象に。ワインのおかげで、ポテチがアミューズに大変身しました!」

コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ レゼルバ×レトルトカレー(辛口)

❤紫貴’s highly recommended! 05

「ゲヴュルツトラミネールにもうひとつ合わせたいのが、レトルトカレー。温めずとも、封を開けてそのままパンやクラッカーにつけていただくと、ゲヴュルツトラミネールならではのスパイシーさとうまくバランスがとれるのです・レトルトでなくてもカレー風味のお煎餅などにも合うと思います」
♠岩瀬’s Impression
「ゲヴュルツトラミネールは、甘口ワインなら麻婆豆腐のようなピリ辛な中華にも合うと知っていたけれど、辛口ワインの場合、カレーに合うとはビックリ。鍋に残った2日目のカレー、紫貴さんのご指摘通り濡れせんカレー味とも試したくなりました」

WINE DATA
コノスル ゲヴュルツトラミネール ビシクレタ
産地/ビオ・ビオ・ヴァレー
品種/ゲヴュルツトラミネール85% その他15%
希望小売価格/927円(税別)
ライチ、マスカット、メロンの香りが華やかに広がる、ミディアムボディの白ワイン。甘くエキゾチックな香りから続く味わいは、酸味がくっきりと際立った雑味のない辛口だ。


後編に続く

コノスルのチーフ・ワインメーカー、マティアス・リオスさんのインタビュー記事「今夜コノスルを飲みたくなる話」はこちらをタップ

  • 記事を書いたライター
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山本ジョー

ライター。2000年よりワインや食にまつわるテキスト制作を請け負ってきたが、ときおりタレント本や鉄道本にも携わる。 畑で細々と野菜を作り、猟師から獲物を分けてもらうカントリーライフを堪能中。 好きなものは旅、犬、カジュアル着物。 小型船舶免許1級を取得して以来、船の操縦経験ゼロ歴を更新し続ける「なんちゃって船長」でもある。

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