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ヴィラ・マリアのワイン指導者が語る「NZのソーヴィニヨン・ブランは複雑で飲みやすい」

ニュージーランドを代表する白ワイン品種、ソーヴィニヨン・ブラン。ダン・モリソンは10年ほど前まで「飲みやすい」との理由でソーヴィニヨン・ブランのワインを好んで飲んでいたNZの学生だった。そして今や、何百万本ものワインを海外へ輸出する大手ワイナリー「ヴィラ・マリア」に籍を置き、プロを対象としたワイン普及活動も難なくこなす立場に。彼にとってヴィラ・マリアのソーヴィニヨン・ブランは、「飲みやすい」だけではなく、多様な魅力をガッチリと抱え込んだ複雑なワインなのだ。

セールス・マネージャーのダン・モリソンさん

ワイン造りから普及活動へジョブチェンジ

1961年創業の大手ワイナリー「ヴィラ・マリア」に勤務するダン・モリソンは、

「入社直後は、まだまだワインのことなんて深く知らなかったんです」

と謙遜する。ヴィラ・マリア入社前には大学で植物生物学の修士号取得との経歴を知れば、当初からブドウ栽培やワイン造りを目指したコース選択と思われがちだ。しかし、仲間とワイワイ飲むソーヴィニヨン・ブランのワインが心地よく感じ、仕事としてワイン造りを意識し始めたのは、まさに就職活動シーズン。
「ワイン産業についてあまり知らなかったので、とにかくニュージーランド中のワイナリーに仕事探しのEメールを送りまくりました。結果、いい返事が戻ってきたのがヴィラ・マリアだけだったんです(笑)」

そんな当てずっぽうなアプローチにも関わらず、大学で優秀な成績を修めていたこともあって面接試験は無事通過、見事に大手ワイナリー入社を果たしたのだった。
2012年に入社してすぐワイン造りのチームに所属し、「肉体労働でハードだけれど楽しい」栽培や醸造を経験すること4年間。醸造の統括役にまで上りつめたのち、突然ダンはヴィラ・マリアのセールス・マネージャーへと仕事内容をガラリと変えた。

「部署移動は僕の希望であり、会社の希望でもありました。ワイン造りの現場で得た経験をもとに、消費者へダイレクトにワインの話をする仕事が僕には向いているかなぁ、と感じまして。うちは社員へのサポートが手厚い会社で、社員の意向を汲みながら、部署移動も柔軟に対応してくれるんです」

そうしてセールス・マネージャーとして活動する傍ら、専門性の高い知識を活かし、ワイン愛好家やソムリエたちを対象としたレクチャーも担当する日々を送る。

2023年7月に新たに発売予定、左から「リザーヴ マールボロ ワイラウ・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン」「アースガーデン マールボロ オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン」「プライベート・ビン マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン」「プライベート・ビン イースト・コースト シャルドネ」「プライベート・ビン マールボロ リースリング」「プライベート・ビン ホークス・ベイ メルロー カベルネ・ソーヴィニヨン マルベック」「プライベート・ビン マールボロ ピノ・ノワール」

個性が楽しいソーヴィニヨン・ブラン

世界60か国以上へワインを輸出するヴィラ・マリアのボトムを支えるのは、「お手頃な価格で高品質」と評判のベーシックな「プライベート・ビン」シリーズだ。とくにイギリスではNZの定番白ワインとして随所で見かけ、入手しやすいのが「プライベート・ビン マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン」。マールボロの特徴を如実に表すクラシックなスタイルこそが、イギリス人が高く支持する秘訣である。

「マールボロは特別な産地。夏でも夜は温度が急激に下がり、ブドウに酸味と複雑味をもたらしてくれるので、ほかでは真似できない味わいになります」

ソーヴィニヨン・ブラン以外に、マールボロでは秀逸なリースリングやピノ・ノワールが収穫でき、ホークス・ベイのシャルドネもまたフレッシュな飲み口で人気を博す。
さて、どの品種も満遍なく愛するようになったダンにとって、若かりし頃から飲みなれたNZソーヴィニヨン・ブランは今、どのような存在?

「NZの人は実際、様々な品種のワインをたしなむけれど、輸出の内訳をみればソーヴィニヨン・ブランがNZの代表品種なのは確かです。飲みやすいワインになれる品種ですからね。とはいえ味わいには確固たる個性があり、食べ物とどう合わせていくか考える楽しみもあります。そう、ソーヴィニヨン・ブランは、とても楽しいワインなんですよ。太陽の日差しを浴びながら家族や友人と一緒に飲むとき、私ならやはり『プライベート・ビン マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン』。コスパの良さも実感できますから」

海鮮料理との相性はダイバーお墨付き

NZでは週末の午後、多くの人がカジュアルにワインを飲むひとときを過ごす。チーズとワインで静かに過ごすもよし、仲間が集まればシーフードBBQでワインパーティもよし。とくにダンの場合、海沿いに家を構えており、スキューバー・ダイビングで自ら魚介類をゲット。鮮度抜群の食材にソーヴィニヨン・ブランを用意し、贅沢なペアリングを堪能しているのだとか。
魚介の鮮度の高さでは諸外国に負けない日本でも当然、ソーヴィニヨン・ブランは重宝する。ダン曰く、

「絶対に合うのが、日本の刺身! ソーヴィニヨン・ブランは酸がしっかりとしていてシャープな味わいだし、とくにNZのブドウ産地はどこも海に近く、潮風が吹いてフレッシュなワインに仕上がるからです。ほか、あっさりとしたタコの煮つけにもピッタリ」

渋いメニュー提案に続きダンが推すのは、タイ、ベトナム、インドネシアを含むアジア料理全般だ。

「アジア料理は、甘さ、酸味、スパイシーさが混在しているでしょう。ソーヴィニヨン・ブランは香りに果実味の甘さがありながら、口中では酸が主張し、料理の味わい要素と共通するから合わせやすいんです。さすがに唐辛子の辛さがビリビリくる料理は……ビールにお任せしますが(笑)」

海に囲まれた島国であり、アジア人の在住者も多いNZだけに、ダンのペアリング提案は日本人にすぐ馴染む。海鮮料理や東南アジア料理を食すときは、いつもダンの言葉を思い出し、ヴィラ・マリアのソーヴィニヨン・ブランをチョイスするクセをつけておきたい。

ヴィラ・マリアのソーヴィニヨン・ブランはタイプ違いで3種。(左より)魚介にも野菜にも合わせたくなる「プライベート・ビン マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン」(希望小売価格/2,200円)、ハーブと柑橘が香る「アースガーデン マールボロ オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン」(希望小売価格/3,300円)、果実味と酸の要素が重層的でリッチな料理とも合う「リザーヴ マールボロ ワイラウ・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン」(希望小売価格/4,400円)。※金額は全て税込。
輸入元/三国ワイン

写真/篠原 宏明

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