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WINE

伝説的なワインラヴァー、トーマス・ジェファーソンがアメリカに広めたバルトン&ゲスティエ

ボルドー最古のメゾンバルトン&ゲスティエは

歴史と伝統を守りながら、常に変化と革新で前進する

「バルトン&ゲスティエ(以下:B&G)」はボルドー最古のワインネゴシアンでありメゾンである。本題に入る前にまず、ネゴシアン、メゾン、ドメーヌについて、簡単に説明しよう。
■ネゴシアン(Négociant)
日本語では「ワイン商」と訳され、他の生産者からブドウや樽・タンクに入ったワインを購入し、醸造、熟成、アッサンブラージュ(ブレンディング)、ボトリング(瓶詰め)、そして販売までのワイン製造プロセス全体を管理する生産者。瓶詰めされたワインを購入し、ラベルだけを貼って出荷することもある一方、ネゴシアンでありながら自分で畑を所有してワインを造ることもある。規模が大きくワインを大量に生産するのも特徴の一つである。
■メゾン(Maison)
購入したブドウでワインを醸造・販売する生産者。ただし100%購入したブドウだけで生産することはまれであり、自社所有の畑で採れたぶどうも使っているメゾンがほとんどである。
■ドメーヌ(Domaine)
フランスのブルゴーニュ地方で多く見られるワイン生産者の名称で、自社で所有するブドウ畑から収穫されたぶどうのみを用いてワインを醸造し、瓶詰めまでを一貫して行う生産者。
※B&Gはフランスのネゴシアンとしては珍しく、自社でワインづくりも行っている。

 1725年に創業者であるバルトン家のトーマス・バルトンがボルドーでワインビジネスをスタートさせました。 当初は北ヨーロッパに輸出されていましたが、アメリカにも最初のワインを届けたとも言われています。というのはアメリカ第三代大統領のトーマス・ジェファーソンは、若い頃から多くの資産をワインに費やしていた熱烈な愛好者であり収集家と知られています(これも余談だが、「世界一高いワイン“ジェファーソン・ボトル”の酔えない事情──真贋をめぐる大騒動」という事件が本にまでなっている。まるで推理小説のようなストーリーで一読をオススメする)。そのトーマス・ジェファーソンが大統領になる前、フランス公使として着任しフランスに駐在していた1785年~1789年の間、フランスやその他ヨーロッパのワイン生産地を訪れ、アメリカ合衆国にワインを送り返させていたという。そのときの最初のワインがバルトン家のワインと言われ、それも発端の一つとなり、孫のヒュー・バルトンの時代にアメリカ市場を大きく開拓していったという。後に、ビジネスパートナーとしてもう一人ダニエル・ゲスティエを迎えB&Gが誕生した。B&Gは、先祖代々から良好な関係を持っている150以上の生産者との関係性も尊重しつつ、現チーフワインメーカー、ローラン・プラダ氏の監修のもとで徹底した品質管理とアッサンブラージュ(ブレンド)を行い、安定したワインを造り続けている。そして「消費者に高品質なワインを届ける」という当時のモットーは、創業約300年を迎えた今も変わらない。

チーフワインメーカー、ローラン・プラダ

B&Gを象徴するキーワードは
安定した高品質
幅広いラインナップ
歴史と伝統
サステイナビリティ
この4つだろう。
B&Gは世界中に知れ渡る一大ブランドであり、130カ国以上に輸出している。地域やヴィンテージの違いはあるが、幅広いラインナップの品質を保証するワイン造りのノウハウを有し、およそ 300年にわたり、高品質なワイン造りを続けてきた歴史・伝統がある。
B&Gは環境問題にも取り組んでおり、1979年にはボルドーの自然保護区にあるシャトー・マニョールという30ヘクタールのブドウ畑を持つシャトーを自社シャトーとして迎え入れた。現在、シャトーは、本社屋、ゲストハウス、ワインスクールにもなっています。シャトー・マニョールは、フランス農業・食糧省の環境認証であるHVE(環境価値重視認証)を取得しており、今後は全ブランドでの認証取得を目指しているという。またB&Gは、2021年に「人権の保護」「不当労働排除」「環境への対応」「腐敗防止」を提唱する国連グローバル・コンパクトへ参加し、持続可能な社会の発展を目指し、企業の社会的責任の活動にも取り組んでいる。
B&Gのワインは2023年7月24日(予定)から9種類のラインナップが全国で発売される。まずはクレマン・ド・ボルドーACのスパークリングから紹介しよう。
日本で購入できるB&Gのラインナップは下記をタップ
クレマン・ド・ボルドーAC/クレマン・ド・ボルドー スパークリング

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