アーティストのYOSHIKIがプロデュースするワインをご存知でしょうか。もしかすると、聞いたことはあっても手に取ったことのない人の方が多いかもしれません。
X JAPANとTHE LAST ROCKSTARSのリーダーで、作詞・作曲・編曲家、そして音楽プロデューサー。多才な人物であるだけでなく、ロサンゼルス在住で移動はプライヴェート・ジェット。雲の上の人と言っても過言ではありません。このようなスターが自分好みのワインをプロデュースし始めました。だから、多くのファンはぜひ飲みたいと思うのが当然。だからでしょう、かえって普通には見つけにくい存在のように思います。
「Y by YOSHIKI」の新ヴィンテージは、今年3月中旬に発売開始されました。スマートカジュアルラインの「Y by YOSHIKI California」の赤と白、そしてプレミアム・レンジの「Y by YOSHIKI Oakville」(赤)なのですが、前者にはEncore(アンコール)と記されています。それには理由があるようです。
そもそも「Y by YOSHIKI」は2009年に誕生。カリフォルニアに拠点を置いているYOSHIKIは、ワイン好きでナパ・ヴァレーの代表的な生産者のひとつであるモンダヴィ家との親交が深く、中でもマイケル&ロブ・モンダヴィ父子と懇意にしていたようです。そこで、彼らとともに試飲を繰り返しYOSHIKI好みの香味に仕立てたワインが完成したのです。
2008年ヴィンテージを2009年秋にリリースしたのを皮切りに何度が市場に出したものの、すぐに完売。ですから、もう少し多くの人たちにも飲んでほしいと考えてスマートカジュアルラインの「Y by YOSHIKI California」を造ることに決めたのです。2018年から毎年、新ヴィンテージが披露されてきました。ところが、2022年の冬には2020年ヴィンテージをリリースしたかったにもかかわらず、2020年8月から数か月に亘りカリフォルニアで発生した大規模な山火事の影響で、ブドウが煙害を受けたため「Y by YOSHIKI California」を冠して販売する赤ワインは造れないと判断したようです。
ただ、「Y by YOSHIKI California」を待っているファンは多いため、ロブ・モンダヴィは2019年ヴィンテージの赤ワインで「Y by YOSHIKI California」に仕立てられるワインの確保に乗り出したとのこと。そしてまたYOSHIKIとともに試飲とブレンドを繰り返し、もう一度2019年の「Y by YOSHIKI California」を造り上げることができました。だから、今春リリースされたワインには“Encore(アンコール)”と記されているというわけです。
「Y by YOSHIKI California」はカジュアルに飲んでほしいと願って造られたワインとのこと。スムーズな口当たりで飲みやすい味わいなのは、YOSHIKIファンの誰もが楽しめるように考えてのことなのに違いありません。「作曲するのは速い」と自身で語るYOSHIKIさんに、ワインのブレンドを決めるのは?と尋ねると、「その時によるかな。1回では決められないこともあるし」と、自然体の回答でした。そして、YOSHIKIさんにとってワインの存在は?との質問には、「ご褒美かな」とのこと。
YOSHIKIさんが拠点を置くアメリカでは、アーティストのライフスタイルをファンがフォローして共感する、という流れが多くあるそうです。とすると、まだこれからも何か新しいものが出てくるのかもしれませんね。
ちなみに、世界一豪華なディナーショーと呼ばれる「YOSHIKI プレミアムディナーショー」が今年は完全復活するそうです。ファンの方たちはすでにチケットをゲットされていることでしょう。