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「宮崎牛」と宮崎の酒!

もうそろそろ金柑の季節が終わってしまう。ある時、「たまたま」という名前の金柑を食べて驚いた。ちょっと普通に見かける金柑よりも大きくてプリッとした「たまたま」は、大きさだけではなく味わいも普通ではない。その甘みと香りは、たぶん一度食べたら虜になってしまうはず。そうそう、甘露煮にするのではなく皮ごとそのまま生で食べておいしいのだ。で、この「たまたま」の産地は太陽の国、宮崎県。宮崎は全国有数の日照時間の長さを誇り温暖なため「ひなた」と呼ばれているのだそう。確かにイメージそのままだ。

「たまたま」として出荷できるのは、開花から210日樹上で完熟させ、糖度16度以上、直径28mm以上のものだけ。

宮崎には多くの特産品がある。畜産も盛んで、宮崎と言えば「地鶏」のイメージが強いかもしれないけれど、ここ数年は「宮崎牛」の注目度が上がっているようだ。日本国内には、いくつかの誇るべき和牛が存在する。その中で、「宮崎牛」は昨年10月に開催された「第12回全国和牛能力共進会」で、4大会連続内閣総理大臣賞の快挙を成し遂げた。これは史上初のことだという。

詳しい説明は「ミヤチク」のホームページに記されているからご参考に。

「宮崎風土 くわんねQuwanne」で提供されている、宮崎牛のイチボを使用した「宮崎牛炭火焼き」。地元の調味料、黒潮海水水晶塩、MISOパウダー、戸村本店の焼肉のたれ、などが添えられている。

新宿南口の新宿サザンテラスにある「宮崎風土 くわんねQuwanne」の店長・相川真輝さんは、その「うまさ」の秘密はオレイン酸にあると言う。オレイン酸の含有量が高いと脂の融点が低くなるので、脂が口の中で溶けていき、同時に風味も際立つというわけだ。

宮崎県内でも、日常は地鶏料理と焼酎を組み合わせるようだが、ハレの場では牛肉料理と焼酎、あるいはクラフトビールやワインと組み合わせて楽しむことが増えているとか。

中でも宮崎を代表するお酒、焼酎は話を聞いていると実に面白そうだ。宮崎県は南北に長いため、原材料が場所によって異なると言う。県南は、最も有名な芋(さつまいも)、県北は麦、蕎麦、粟、ヒエ、県西は米が主原料になる。だから当然出来上がる焼酎の香味も異なってくる。そして、製法について「麹を使う蒸留酒は世界でも焼酎だけです!」と、相川さん。確かに、原材料のでんぷんを一度糖化させてから発酵しなければならないから、麹の存在は必須なのだ。こういった、原材料、麹、酵母、水、気候などにより、さまざまな焼酎が生まれている。「芋焼酎だけでも幅広いので、コース料理に合わせられます」と言う。

宮崎の食と酒と。太陽の恵をたっぷり受けた産物でエネルギーチャージしてみてはいかがだろうか。

(Y. Nagoshi)

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