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「Why not? マガジン」が注目している最旬な方にインタビューVol.01

ファビオさん/イタリア料理人

僕のSNSはイタリア料理の魅力を分かりやすく、とにかく美味しく、その工夫が詰まっています!

インタビュー/麻未(mami) 写真/阿部昌也

記念すべき第 1 回目は YouTube で 30万人以上の登録者数を誇るシェフ、ファビオさんにご登場頂きます。16 歳でイタリアに初めて行かれて以来、イタリアの文化とお料理に惚れ込み、日本イタリア両国でレストラン勤務のご経験もお持ちのファビオさん、私は初めてシェフの料理をいただいて、感動して以来ずっと、ファビオさんの動向に大注目。Whynot?編集部も創刊インタビューでご登場いただけることになり本当に心待ちにしていたインタビューです。

動画作成で工夫しているところは……

麻未)大人気のショート動画について伺いますInstagramでパスタ作りの動画を毎回拝見しています。とてもコンパクトに作られているのに魅力的な動画に仕上がっています。動画制作ではどのような点を工夫されてますか?

ファビオ)Instagram のショート動画を始めて、ちょうど 1 年くらいです。元々Instagramのアカウントは YouTubeを始めたときに共に持っていましたが、そのときは効果的な運用方法も今ひとつ分からなく、手探状態でした。最初はYouTube の動画を上げるときに一緒にInstagramのストーリーにアップしたり、フィードの方に自分愛用調味料とか載せたりしていました。でもその時はまだフォロワーも少なくて伸び悩んでいたんでいました。ただ、動画で発信することを主戦場にしていたので、いろいろな情報を毎日キャッチしていたなかで、これから「ショートの時代」が来るよ、来るよと聞いてきたんですね。それでショート動画を自分でやってみようと始めたのがちょうど 1 年前ですね。どのようなショート動画にしようか、と考えたときに、僕はイタリア料理の料理人で、パスタ料理はイタリア料理の代表格です。パスタは一般の方々が見て分かりやすい分野なのでInstagram の中で 1 つのカタログというか、図鑑みたいな位置づけで世界観を作ろうという方向性が定まって、始めたのがInstagram のリール動画です。

動画の制限時間は30秒以内、そして大切なのはスピード感とシズル感

ファビオ)動画を作る時に特に大切にしていることの一つは映像を観た人が「おいしそうだ!」って思ってもらえるような作りを心がけています。その映像の中の「湯気」や「しずる感」や「スピード感」を特に大切にしていて、映像を見た時に「できたて=湯気が上がっている」ことを意識して撮っています。第一に美味しさが表現されている映像を心がけています。

そして、もう一つ、ショート動画で注意しているのは動画の流れる時間です。動画を見ていただいくと分かるんですけど、30 秒以内とかで大体納めています。基本的に動きのある動画なので「ダレにくい」ものだとは思うんですけど、やっぱり短く短く編集して、インパクトがあるものを冒頭に持ってくることを意識すると、最初の2秒で「あっ、何だこれは」って前のめりになってもらえるように作りを心がけていますね。

麻未)計算をきちっとされているからああいう風にぐっと心を掴まれる魅力的な動画になるのですね。私は最後まであっという間に見てしまっていうのも、今の説明で非常に納得がいきました。

ファビオ)でもこれは最初からできていたわけではなくて(笑)、当たり前ですが当初は動画を撮ったこともなかったですし、写真も普段、そんな撮らないですし、技術的な事っていうのは今でも全然わかってないです。毎日毎日撮って料理してそれを映像に残してというトライアンドエラーで今少しマシになってきたかなとは思っていますが、それでもまだ改善する余地はあると思って毎日出し続けています。

YouTubeのアナザーストーリーとしてファビオという料理人の成長物語

麻未)YouTube でも登録者数 30万人を超えていらっしゃいます。シェフとして YouTubeの活用方法、思いなど教えていただけませんか?

ファビオ)YouTube を活用しているというよりも、僕はそもそもレストランに10 年ぐらい勤めていた料理人です。今レストラン勤めせず、YouTube を主軸に置いた仕事の仕方になってます。そのYouTube ではイタリア料理人なので、まずはそのイタリアの素晴らしい食文化を一般のその視聴者の皆さんに知っていただきたいと思いでやっています。イタリア料理って言ったらとてもシンプルな料理が多い多いですし、料理人だからこそできる魅力にフォーカスを当てた内容で配信してます。また、僕のチャンネルは普段のレシピ動画っていう活用の仕方以外にもこの YouTube があるからこそ、頂いたお話やご縁っていうのはたくさんあって、そこからどんどん一人のファビオという人間が一つひとつ成長していく生き様そのものだとも思っています。僕ができることっていうのはそのレシピを紹介することだけではなく、今30 歳の僕の姿が、これから動画をやろうとしている方や若い世代の料理人たち、そういう人たちに光というか希望を与えられると思ってるので、一つのモデルにもなりたいなと思ってます。

フォロワーへの感謝も込めてぜひ開催したいコラボディナー

麻未)以前、将来的にコラボディナーを考えているとおっしゃっていましたが、これはの SNS ではなく料理人としての活動かと思います。どのようなディナーを考えていらっしゃいますか?

ファビオ)一つの経験としてコラボディナーをやってみたい、自分が行ったことの無い場所に行って料理をすることは今後に必ず生きてくる必要な経験になると思います。スキルとして必要だと思っているので、コラボディナーでやってみたいです。まだ経験は少ないので、これからどんどん増やしてやっていくことが目標の一つです。また、YouTube を媒体としていることでお話を頂いたりするのは視聴者の皆さんの応援があるからこそ。皆さんに恩を感じています。夢みたいな話ですけど。例えばコラボディナーを開催して、料理人としてその経験値を積むこと、それ以外に来ていただくゲストのお客様は視聴者の皆さんにしたいと思っているんですね。ずっと配信を続けていて、毎回コメントで、食べてみたいという声をたくさんいただくのですけど、自分が今お店を持っているわけではないので、それは叶わない。何かイベントなど、そういう時に視聴者の皆さんを呼んでできたら、やっぱり自分を応援してくれている方達も喜んでもらいたいなって気持ちがあります。

好きなパスタを教えてください

麻未)では、シンプルな質問です。今、1番はまっている料理を教えてください。

ファビオ)かなり困った質問ですね(笑)はまってる料理ってありすぎて答えることができないんですけど。あえて言うとパスタにはまっています。もう 料理人になる前からですけど、ずっとパスタに夢中って感じですね。

麻未)小学生の頃からパスタに夢中という感じですか?

ファビオ)そうですね。もう本当にそれぐらいから。パスタは2000 年以上歴史があると思うんですけど、種類で言ったら約 1000 種類ぐらいありますし、もう極めてもうやっぱ極めきれないぐらいあるんですよ。料理人を10年以上いつもイタリア料理のことを考えてます。それで毎日パスタを作りながら動画を撮っている感じですね。

麻未)奥の深いパスタの世界、その中でお好きなパスタ料理は何でしょう?

ファビオ)そうですね。もうこれはもうシンプルな料理がとにかく大好きなので、強いて言うなら「アーリオオーリオペペロンチーノ」ですね。アーリオオーリオってニンニクと唐辛子とあとはパセリが入った本当にシンプルな料理なんですけれど、これこそシェフによって違いが出るんですよ。見た目は似てるんですけど、やっぱ食べてみると、そのお皿にその人の歩んできたことが見えるんですよ。これすごいマニアの話になっちゃうんですけど、やっぱ料理って料理人にとって自分の鏡なので。そのシンプルな料理ほど自分が出ると思うんですよ。他のシェフのお店で本当に食べたいなっていう時はアーリオオーリオペペロンチーノを頼みます。とにかく僕にとって大事なパスタ 一つです。

お好きなワインも教えてください!

麻未)美味しいですし、シンプル イズ ベスト。アーリオオーリオ、恐るべしですね。パスタにはワインということで、では最後の質問ですけれど、少しワインの質問をさせていただきます。イタリア料理のシェフということでイタリアワインが一番好きなんでしょうか?お好きなワインの銘柄などありますか?

ファビオ)僕が料理人になりたての時、初めて格式のあるレストランでアルバイトさせていただいたんですけど、その時に初めて飲んだ美味しいワインがアマローネだったんですね。アマローネはもうイタリアの ABC の代表格って言われてると思うんですけど、Aのアマローネ、Bのバローロ、C のキヤンティクラシコ。初めてそのアマローネを飲んだ時のもう感動が忘れられなくて、しっかりと陰干しした複雑な味わい。イタリアンの赤といったらアマローネが大好きですね。

自分が表現で大切にしていること

麻未さん)ファビオさんのこれからの挑戦したいこと一つと、料理人としての自分なりのこだわりを最後に聞かせてください。

ファビオ)そうですね。あえてテーマを一つに絞るとすると、今は僕のステージっていうのは動画配信をして、それは自分の認知を広げるためっていうのが一つあります。その先にあるのは自分のレストランを開業したいと思っています普通のそのレストランというものではなくて、今の。この SNS の自分ファビオがいるからこそできるような新しいスタイルのものをやっていきたいなっていう思いがあります。僕は6 年ぐらいヨーロッパに料理を修行していた時代があって、当時イタリアにいたんですけど、アジアのタイや中東のトルコに食べ歩きに行ったり、いろいろな国、いろいろなレストランで食事をしてきました。料理って日本料理、中国料理、フレンチ、イタリアンなどいろいろなジャンルがあるけれど、そもそも料理をそんなジャンルに分けることがもうそろそろ淘汰されるんじゃないか。その時に感じていたんです。何料理、何料理ということではなくて、創り出す個人にフォーカスが当てたその人の料理だと思うんですよ。なので、新しい料理をクリエーションする時もそうですけど、僕が大事にしてるのは本質、ベースっていうのは崩しちゃいけないところは必ず守ります。僕はそもそもイタリア料理、イタリア料理人をやっていてイタリアの方々が大切にしている根本の精神っていうものをイタリアで学んできています。その精神に乗っ取った料理をずっと作っているんですね。だからその本質というものは絶対に外さない。でもその周りにつくアクセサリーは自由でいいと思うんです。で、そこのアクセサリーを自由にして「決めない。縛らない」ことによって、新しいクリエーションとかも生まれると思っているので、もちろん日本だから日本でやるイタリア料理はその日本の自分がいる土地の特化した食材を使ったもの、プラス本質は合わせるっていうことはとても大事なことだと思っているんですが、そもそもですね、シェフとしてどういう料理を、自分はどういうスタイルの料理を作るかということはシェフによって違うと思うんです。僕は一口食べた時にこれ美味しいよね、ってなるような。その本能に訴えるような料理が僕自身も大好きなので。

麻未)今日は動画のポイント、フォロワーとの絆を大切にするコラボディナーなど貴重なお話を伺えました。いあま思い描いていることが実現される時を楽しみに待っています。

ファビオ)はい、ぜひ!ありがとうございました。

動画インタビューはこちらから

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