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レミーマルタン1738アコード・ロワイヤルを使ったFOREDRIVER チャンピオンカクテルのわけ

このカクテルの名前はFOREDRIVER。Forerunner=先駆者、という単語をバイクのドライバーにかけてForedriver として「先駆者」と読ませることにしたと、作者であるザ・リッツ・カールトン京都「 THE BAR」の竹下健一さんは言う。「レミーマルタン バーテンダー タレント コンペティション ジャパン2022」が昨年12月14日に開催され、グランドチャンピオンに選ばれた人だ。その時のチャンピオンカクテルがこれ。

 

なぜ「先駆者」をテーマにしたのだろうか。

「フルーティな味わいのなかに、持続可能な農業のトップを走り続けるレミーマルタンをバイクに見立てて、常に先を走り続けるその轍(わだち)に残る焦げた香りをポートシャーロットで表現する事で、レミーマルタンの土壌と情熱を感じる一杯」との解説がある。レミーマルタンはSDG’sにとても積極的な企業であることを表そうとしたようだ。

「ミツバチの保護も行なっています。土壌や生物多様性を守るために緑肥も行なっています。これらをかけて、緑色で辛味のあるハラペーニョを使った自家製ホットスパイシーハニーもこのカクテルに使っているんです。辛みは、レミーマルタンの自然に関する素晴らしく熱い探究心の『熱』を表現したくて」と、竹下さん。ちょうど同じグループの「シャンパーニュ テルモン」を取材したが、このワイナリーの地球環境に関する考え方も相当進んでいる。グループ全体での意識がとても高いのだ。

 

そして FOREDRIVERには、もうひとつの自家製素材が使われている。「自家製アシッドヴェルジュ」というもの。これは、酒石酸とワイン用のブドウをジュースにしたものをブレンドしているという。普通はレモン果汁などを使う。いわゆるクエン酸だ。しかし近年は果汁を絞った後の果皮の生ゴミについても考えなければならない時代になっている。だから、生ゴミの出ない方法を考えたそうだ。

それから、わざわざソーダを加えているのにもわけがある。コニャックをはじめとするブランデーベースのカクテルとして知られる「サイドカー」は、ブランデー2:ホワイト・キュラソー1:レモンジュース1でつくるショートカクテルの代表格で、比較的アルコール度数が高い。ただ最近は、アルコール度数が高い飲料が敬遠されることもある。それを踏まえてあえてソーダをプラス。

そうそう、もうひとつ。ブランデーのカクテルなのにアイラウイスキーの「ポートシャーロット」が少し香づけに使われている。これが解説にもあった「レミーマルタンをバイクに見立てて、常に先を走り続けるその轍(わだち)に残る焦げた香りをポートシャーロットで表現」した部分。確かに最初にスモーキーさを感じる。そのあとは甘い香りと爽やかさが感じられ、最後にふわりとスパイシーさが残るという、豊かながら爽やかなカクテルだった。

これほど緻密に考えて組み立てられた一杯だからこそ、チャンピオンカクテルなのだとしみじみ。ぜひ京都へお出かけの際は竹下さんに会いに行ってみてほしい!

(Y. Nagoshi)

<FORE DRIVER レシピ>

レミーマルタン1738アコード・ロワイヤル Rémy Martin 1734 Accord Royal

コアントロー Cointreau

自家製アシッドヴェルジュ Homemade acid verjus

自家製ホットスパイシーハニー Homemade hot spicy honey

ソーダ、ポートシャーロット Soda, Port Charlotte

ドライスライスオレンジ Dry sliced orange

レミーマルタン公式HP

この6月にフランスのコニャックで世界大会が行われ、竹下さんは日本代表として出場。

「レミーマルタン バーテンダー タレント コンペティション」大会公式HP

ザ・リッツ・カールトン京都

 

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