文/紫貴 あき
紫貴あきの「今夜」ワインが飲みたくなるはなし 35 the glass of wine
連日続く酷暑警報………「暑い夏は、断然冷えた白かスパークリングワイン!」そんな人も多いはず。ところが、ワインの本場ヨーロッパやハリウッドセレブの間では、真夏に赤ワインをしっかり冷やしたり、氷を入れて飲んだりするスタイルが定着しているのをご存知でしょうか。
ヨーロッパの夏は「氷入り」「冷やし赤」が当たり前
「赤ワインは室温で」という暗黙の了解がどこかありますが、ヨーロッパで言う室温とは、パリの室温16〜18℃のこと。パリは北緯48.8度と高緯度です。日本の室温よりずっと低いのです。ただし、そのヨーロッパでも夏は気温が上がり、室温がこの基準を超えることも珍しくありません。赤ワインをこの温度帯より高い状態で飲むと、アルコール感を強く感じて、もったりとした重い口当たりになってしまいます。だからこそ、ワインの本場ヨーロッパでも夏場は赤ワインを冷やして飲むのがごく一般的なのです。
スペインの「Tinto de verano(ティント・デ・ベラーノ)」 は「夏の赤ワイン」という意味の楽しみ方です。グラスいっぱいの氷に赤ワインとレモンスカッシュを1:1で注ぐカクテルで、現地ではサングリア以上に親しまれているのです。
ロンドンやパリの「Chilled Red(チルド・レッド)」は、若者を中心に、冷蔵庫でしっかり冷やした赤ワインを楽しむスタイルが広がっています。カジュアルなワインバーでは夏限定の看板メニューになっているところもあります。
あの大女優も!?冷やしてクールに赤を飲む
「高級な赤ワインに氷を入れるなんて邪道!」と思うかもしれません。ところが、映画『アニー・ホール』などで知られる大女優の故ダイアン・キートンは、大の「氷入り赤ワイン」愛好家でした。 「ワインをマイルドにして気軽に楽しみたいから」と日常的に氷を入れて飲んでいたそうで、ついには氷を入れて飲む前提の赤ワイン「The Keaton(ザ・キートン)」を自身のブランドで手がけたほど。一般論にとらわれず、自分が一番おいしいと感じるスタイルを楽しんでいたとは大女優らしいエピソードです。
「The Keaton(ザ・キートン)」

日本未入荷
品種:プティ・シラー、シラー、ジンファンデルなどの赤ワイン用ブドウをブレンド(カリフォルニア州レイク・カウンティおよびメンドシーノ産)
ハリウッド女優ダイアン・キートンが1970年代にエアコンがない部屋で過ごしていた時代ワインに氷を入れていた飲んでいたというエピソードから、高級志向ではなく、日常的に気取らず楽しむためのデイリーワインとして造ったという。ラベルには氷と一緒にサーブするよう表示されており、氷を入れても味が薄まりすぎず美味しく飲めるよう設計されている。(※この情報はワインリポート及びMumero TOKYOの情報から抜粋)
冷やして化ける、夏向け赤ワインの選び方と飲み方
夏に赤ワインを冷やすなら、タンニンが少なく、果実味が豊かなものを選ぶのがコツです。タンニンが多いワインを冷やすと、渋み由来の「痛い」感じが強調されてしまうためです。おすすめのブドウ品種は、ガメイ、ピノ・ノワール、マスカット・ベーリーAです。
おすすめの楽しみ方
- 直前まで冷やす:飲む1〜2時間前に冷蔵庫に入れて、少し冷たいと感じる温度(10〜12℃)で飲む。
- ロックで飲む:大きめの氷を1〜2個入れて、溶けていく過程で変わる味わいを楽しむ。
- レモン割り:手頃な赤ワインに氷とレモンスカッシュを注ぎ、即席カクテルに。
酷暑も自由なワインの飲み方で、楽しんでみませんか。
シャトー・メルシャン
山梨マスカット・ベーリーA

生産国・地域:日本・山梨
品種:マスカット・ベリーA97%、その他
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