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いよいよスタート!!2026年のハーヴェスト~オルネッライア、白ブドウの収穫から見えてくる今年のヴィンテージ~

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文/mami

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ワインの一年は、収穫によって大きく動き始める。

トスカーナ州ボルゲリに位置し、スーパータスカンの一つであるオルネッライアでも、いよいよ2026年の白ブドウの収穫が8月10日にスタートした。

今年のヨーロッパは記録的な暑さに見舞われている。オルネッライアでも、昨年の収穫開始が18日であったのに対し、今年は8日早い。

では、これほど早く始まった2026年のヴィンテージは、果たしてどのような年になるのだろうか?

収穫を目前に控えた8月6日、オルネッライアのテクニカルディレクター、マルコ・バルシメッリ氏に、畑の現在の状況を聞いた。

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「ブドウの粒は小さいですが、果汁と果皮のバランスがとても良い。今日までの状態を見る限り、白も赤もビッグヴィンテージになる可能性があります」

今年は6月、7月と降雨がなく、乾燥したコンディションが続いた。しかし、マルコさんが今年の大きな特徴として挙げたのは、意外にも2月の雨だった。

「2月に降った雨によって、土壌の中に水分がしっかりと蓄えられていました。これが、他のヴィンテージとの違いです」

暑さと乾燥だけを見れば、厳しいヴィンテージにも思えるが、土壌に蓄えられた水分が、ブドウの木を支えたということは重要だ。

そして、もう一つの要は酸だ。

「乾燥して暑いヴィンテージなので、白ワインはアルコール度数が14%前後になる可能性もあります。でも、きちんと酸が残っているので、バランスが良いです!」

マルコさんが語った「小さな粒」「果汁と果皮の良いバランス」「しっかりと残っている酸」。これらの言葉からは、暑く乾燥した2026年が、単純な“暑い年”では終わらない、素晴らしいポテンシャルが感じられる。

醸造家にとって、最も緊張する季節

収穫が早まるということは、醸造チームにとっても準備の時期が早まるということだ。

かつては、醸造家にとって8月はヴァカンスの季節というイメージもあった。しかし近年では、8月初旬にはすでに収穫に備えてスタンバイしていることも珍しくない。

そして収穫が始まれば、一年で最も緊張感の高い時間が始まる。ブドウの成熟を見極め、収穫のタイミングを決める。区画ごと、品種ごとでも、成熟のスピードは異なる。「いつ収穫するか」という判断の積み重ねは、最終的なワインのスタイルを形作る要素の一つである。

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筆者自身、カリフォルニアでワインを学んでいた時期に、収穫期の醸造家たちを間近に見てきた。朝早くから畑に入り、醸造所へ戻れば次々と運び込まれるブドウに対応する。身体的な疲労だけでなく、常に判断を迫られる精神的な緊張も大きい。

そこでマルコ氏に、収穫期を乗り切るためのコンディション管理について聞いてみた。

身体を動かし、音楽で心を整える

まず身体を整える方法をお聞きすると、「スポーツをすることですね。収穫期は歩く歩数も増えますが、それでもランニングをしたり、自転車に乗ったりします。身体を動かすことは大切です」

メンタルを整える方法は、以外にも音楽!
「私は楽器を弾きます。ダブルベースでジャズを弾くのが好きなんです。1時間から2時間くらい弾くと、リラックスできます」

「身体を動かす」ことと「音楽に没頭する」こと。一見、全く異なる二つの方法の様だが、どちらも仕事から意識を切り替え、自分自身をリセットする時間であることは、共通している。

収穫期の朝を支える、しっかりとした朝食

更に聞いてみたのが、ハーヴェスト期間の食事について。

「収穫期は、朝食がとても大事です。朝早くから長時間エネルギーを保ち、集中しなければならないので、卵料理、アヴォカド、パンなどを食べます。

普段はフランス人のように、クロワッサン、ブラックコーヒー、ケフィアヨーグルトなどが多いのですが、ハーヴェストの時は、しっかりエネルギーをキープできる、リッチな朝食を取ります。

クロワッサンだけだと、数時間するとすぐに空腹になりますから(笑)」

一年で最も大事と言っても過言でない収穫を成功させるためには、ブドウやマストの状態を読む力だけでなく、自らの身体と精神を整えることもまた、重要な仕事である。

1日に500種類のワインを試飲した経験も

そして、どうしても聞いてみたかったのが、収穫期の「夜の一杯」。

醸造家の中には、収穫期の長い一日の仕事を終えた後、ビールを楽しむ人も多いが、マルコさんの場合は?

「以前、ボルドーでコンサルタントをしていた時は、1日に500種類の異なるワインを試飲することもありました。その頃は、夜にはワインではなく、スパークリングウォーターかビールを飲んでいましたよ」

現在は、1日に試飲するワインは多くても50種類ほど。そのため、仕事を終えた夜には、シンプルな白ワインをほんの少し楽しむこともあるという。もちろん、翌日の仕事に影響しないよう、量はきちんと管理している。

ワインを造る人にとって、ワインは「飲むもの」であると同時に「仕事」でもある。

2026年ヴィンテージの未来へ想いを寄せる

ソーヴィニヨン・ブランの収穫がスタートしたオルネッライア。

しかし、2026年のヴィンテージは、まだ始まったばかりだ。これから白ワインの仕込みが進み、続いて赤ワイン用の黒ブドウの収穫へ。そして、そのブドウ達が醸造所へ運ばれ、少しずつワインへと姿を変えていく。

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今年のボルゲリは、暑く、乾燥したヴィンテージ。だが、その一言だけでは語り尽くせない。

2月に土壌へ蓄えられた水分。小さなブドウの実。果汁と果皮のバランス。そして、暑さの中でも維持されている酸。これらが、最終的にどのようなハーモニーを奏でるのか?

「白も赤もビッグヴィンテージになる可能性がある」

マルコ氏のこの言葉を胸に、これから始まるオルネッライアの2026年ヴィンテージを追いかけたい。

そしていつの日か、その答えが一本のボトルとなって、私たちのグラスに注がれる。その瞬間を想像しながら、オルネッライアの畑と醸造に関わる全ての方々に、心からエールを送りたい。

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フランス文学科を卒業後、ナパ・ヴァレーにワイン留学し、醸造、ブドウ栽培、マーケティングを学ぶ。帰国後は、外資系ワインインポーターでPRディレクターに。現在は、ワインと食(とりわけキャビア)のPRスペシャリストとして活動。国内外のワイン品評会で審査員を務め、シャンパーニュ騎士団、サンテミリオン騎士団の称号を持つ。 インスタグラム:@mami_mamie

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