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WINE

月暦に従ってワイン造る「ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレー」

「ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレー」は、今世界中のワインファンが血眼になって探し求めるフランスのブルゴーニュ地方の小規模な生産者のひとつです。しかも、ブドウ栽培やワイン造りを月暦に従って行うなど、その土地の自然環境に合わせて作業する「バイオダイナミック(フランス語でビオディナミ)」の実践者でもあります。

バイオダイナミックは、有機栽培からさらに一歩踏み込んだ農法と言えるかもしれません。ですからもちろん化学的な物質は一切使用していません。例えば、ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレーが病虫害からブドウの木を守ったり健康促進のために使うのは、「イラクサ」、「ダイオウ」、「トクサ」「ノコギリソウ」、「ヨモギ」、「ヒレハリソウ」。これらを乾燥させてハーブティーのようにしてスプレーします。人にとっての自然療法に似ていますね。知らない名前の植物が多いのは、日本とは植生が異なるからです。その土地に生えている植物を使うのがバイオダイナミックの基本です。

そして、月の満ち欠けを含めた月暦には、「果実の日」、「根の日」、「花の日」、「葉の日」と記されています。例えば、剪定や芽かきといった植物に関わる作業は果実の日と花の日に行い、収穫は果実の日が理想的だと言います。

このように自然に即し丁寧に栽培、そして醸造されるワインはとても貴重な存在です。とくにドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレーの自社畑は「特級」や「1級」格付けが多く、中でもモノポール(単独所有畑)の「ヴージョ1級 ル・クロ・ブラン・ド・ヴージョ」という白ワインはとても貴重な存在です。もし手に入ったとしても大変高価です。

ですから、ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレーでまずお薦めしたいのは「テール・ド・ファミーユ」。赤の「ブルゴーニュ ピノ・ノワール」と、白の「ブルゴーニュ シャルドネ」があります。このドメーヌにとって最もスタンダードなラインですが、ヴージュレーのエキスを十分に感じ取っていただくことがでる素晴らしい味わいです。

例えば2020年の「ブルゴーニュ ピノ・ノワール」は、ラズベリーのような小さな赤い果実が香り、フローラルです。まだ若いので香りが華やぐのにはもう2、3年かかるかもしれません。味わいもピュアで上品、そしてもちろんフレッシュです。タンニンもきめ細やかで、素晴らしいバランス感覚。なんとなく、涼しいそよ風ときらりとした太陽の光を思わせるような香味です。大きめのグラスでゆっくりと味わいたいですね。

ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレーのエステート・マネージャー、シルヴィ・ポワロさんは、今年7年ぶりに来日。手にしているのはモノポール(単独所有畑)の「ヴージョ1級 ル・クロ・ブラン・ド・ヴージョ」。「特級格付けの赤ワイン、つまりルビーに囲まれているからダイヤモンドと呼んでいます」とシルヴィさん。もともとクロ・ヴージョの畑は赤ワイン用にブドウが栽培されていましたが、700年前にシトー会の修道士が表土が白い石灰質土壌の区画にシャルドネを植えて、ミサに使う白ワインを造り始めましたのがこの白ワインの源です。シルヴィさんは、「でも、人に喩えるならちょっと性格が悪いかもしれませんね。シャブリのようなミネラル感、ムルソーのようなバターの香り、コート・ド・ボーヌの特級格付けのような長い余韻。すべてを持ち合わせていますから。希少でもありますし、私たちにとってもこだわりのある銘柄です。だから、瓶詰めするのは一番最後なのです。おかげさまでとても人気なので、ドメーヌにも在庫がなくなってしまいました」とにこやかに語ってくださいました。

輸入元:国分グループ本社

ROJI日本橋

(Y. Nagoshi)

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