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シャンパーニュ ビルカール・サルモンが世界で5,000本しかない「クロ・サンティレール」を、満を持して2005年ヴィンテージ発売開始。

シャンパーニュ ビルカール・サルモンは、1818年の創業以来家族経営を継続しているメゾンです。「これがとても重要なこと」だと6代目のオーナー、アントワーヌ・ローラン・ビルカール氏は言います。自分たちの哲学を曲げず、テイストに見合ったシャンパーニュを造り続けるために必要なのだということなのです。

さて、ビルカール・サルモンが誇るプレステージキュヴェの「クロ・サンティレール」をご存知でしょうか。とても貴重なキュヴェで、毎回多くても5,000本ほどしか造れない、ピノ・ノワールだけから造られるブラン・ド・ノワール。「クロ・サンティレール」はわずか1haの畑の名前で、シャンパーニュの中央部とも言えるマレイユ・シュル・アイにあるメゾンのすぐそばにあります。しかも、ここのピノ・ノワールは1964年に植樹されているので、もうすぐ樹齢60年。つまり来年で還暦を迎えます! さらにこの畑は馬で耕作し、10年前からはバイオダイナミックの手法も取り入れて丁寧に栽培されているのです。まさに手塩にかけて造られているのがわかります。

もっと詳細を知りたい方は「つづき」もお読みください。

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+++++++++++++++++++つづき++++++++++++++++++++

6代目オーナーのアントワーヌ・ローラン・ビルカール氏は昨年、暑く乾燥したヴィンテージ2006年のクロ・サンティレールをローンチした際に翌年の披露を予告していた2005年が登場した。

 

今年「クロ・サンティレール 2005」と同時にリリースされたのは、創始者の名を冠する「キュヴェ・ニコラ・フランソワ2008」。どちらもビルカール・サルモンらしい「エレガンス、そしてフレッシュなスタイル」で長期熟成可能なキュヴェだ。

「酸度と熟度の両方が十分に高いブドウを収穫することが、寿命の長いシャンパーニュを生み出す鍵である」と、6代目のオーナー、アントワーヌ・ローラン・ビルカール氏は言う。

「クロ・サンティレール2005」

収穫時期が年々早まっているため、この3〜4年は収穫後にブドウを冷やしてから圧搾し始めている。自然なアロマを保つため、およそ30日間ゆっくり低温で発酵し、マストは濾過しない。

「チーフ・ワインメーカーのフローランス・ニスは、まるでロレックスのように精密なワイン造りを行なっている」と喩える。

「キュヴェ・ニコラ・フランソワ2008」

「キュヴェ・ニコラ・フランソワ」は、創始者へのオマージュとして1964年に初めて造られた。モンターニュ・ド・ランスとヴァレ・ド・ラ・マルヌのピノ・ノワール60%とコート・デ・ブランのシャルドネ40%をブレンドした特別なキュヴェだ。 2008年ヴィンテージの場合、ピノ・ノワールは本拠地マレイユ・シュル・アイ、そしてアイとヴェルズネイがメイン。毎回フレッシュさとエレガンスを保つブレンドを目指しており、17%は樽発酵を施している。シャルドネはすべてコート・デ・ブランのブドウで、それぞれの役割は「メニル・シュル・オジェはスピンとストラクチャーを、シュイィはミネラルとサリニティを、クラマンはファッショナブルでエレガントなスタイルを与える」という。

2008年は冷涼な年でとくに7〜8月に雨が多かったが、8月最終週から奇跡的に素晴らしい夏が訪れ、9月20日から収穫開始。

「とくにシャルドネが素晴らしくピュアな姿に仕上がった。チーフ・ワインメーカーはドザージュにも大変こだわりがあり、最終的に2.9g/ℓと決定した。しかもマロラクティックは30%しかしていないにもかかわらず、である。これ以上の化粧を必要としない素晴らしい素質があるので、それを隠してはならないと断言した」。

10年間の瓶熟成を経ているのだが、「まだ小学生ぐらい。少なくともあと30年熟成可能」だと太鼓判を押す。確かにトーストやハチミツなどの香りも感じられるが、ツヤのある上品な香りで、バックボーンがしっかりしていて生き生きとした長い余韻だ。

photo by Leif Carlsson

「クロ・サンティレール」は、ロゼのための赤ワイン用のブドウを収穫していた区画だが、1995年にシャンパーニュに仕立てたのが始まりだ。収穫量はシャンパーニュでは異例の40hl/ha前後という少なさ。しかも収穫が遅く行われるため、収穫時の潜在アルコール度数は10.5〜11%と通常のブドウより1%ほど高い。そして、古い小樽で発酵を行い温度コントロールは行わない。発酵終了後も6〜7か月そのまま樽内に置き、バトナージュにより複雑性を醸し出す。マロラクティックは冷却によりブロック。10年以上の瓶内熟成を経て、2020年11月にデゴルジュマンし、ドザージュは1g/ℓ。

「アイでもアンボネイでもない、マレイユ・シュル・アイのピノ・ノワールならではのフィネスとエレガンスがありながら、ストラクチャーと複雑性も併せ持つのがクロ・サンティレール」。

まさにオレンジ、トースト、ドライフルーツ、ナッツ、ハチミツなど複雑な香りに、豊かで厚みがあり凝縮感も感じられる。わずか5,000本前後しか生まれない。数量の面でも個性の面でもとても稀少な作品だと言える。

どちらも生産量が少ないが、もし出会う機会があればビルカール・サルモンの世界観に浸ってみてはいかがだろうか。

(Y. Nagoshi)

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