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WINE

クリュッグが「にんじん」で問い直す、シャンパーニュと料理の関係── KRUG × CARROT FOUR HANDS DINNER 開催

文/山田 靖

シャンパーニュは、料理とともにあってこそ真価を発揮するワインだ。食前酒という枠にとどまらず、前菜からメイン、時にはデザートに至るまで、料理の輪郭をなぞり、味わいの奥行きを広げていく。その可能性を誰よりも早く、そして徹底的に追求してきたのが、プレステージ・シャンパーニュメゾン 「クリュッグ」である。

クリュッグのペアリングが興味深いのは、単に「合わせやすい」からではない。複数年のリザーブワインを重ね、構築的にブレンドされるそのスタイルは、料理の要素──食材の甘味、苦味、酸、テクスチャー──と複雑に呼応し、皿の印象そのものを変えてしまう力を持つ。ワインが料理を引き立て、料理がワインの新たな表情を引き出す。その双方向性こそが、クリュッグのペアリング体験の本質だ。

クリュッグの哲学は一貫している。畑を区画ごとに捉え、それぞれの個性を尊重しながらブレンドによってひとつの完成形へ導くという考え方だ。単一では成立しないが、複数が集まることで単体以上の価値が生まれる。その構造は、ワイン造りにとどまらず、料理との関係性にも拡張されてきた。

その思想を、より明確なかたちで可視化したのが「クリュッグ 単一食材プログラム」である。毎年ひとつの食材をテーマに掲げ、世界各国のクリュッグ アンバサダーシェフが、その素材の可能性を掘り下げ、クリュッグとの理想的な関係性を探る。素材を限定することは制約ではない。むしろ思考の純度を高め、料理とシャンパーニュの関係を構造的に浮かび上がらせるための装置だ。

2026年、そのプログラムのテーマとして選ばれたのが「にんじん」。甘味、土のニュアンス、ミネラル感、調理によって姿を変えるテクスチャー。日常的な野菜でありながら、解釈次第で驚くほど多彩な表情を見せるこの食材は、単一食材という思想を語るうえで、極めて象徴的な存在だ。


その魅力を最も立体的に体験できる場として設計されたのが、2月27日、28日の二夜限定で開催される「KRUG × CARROT FOUR HANDS DINNER」である。舞台は東京・西麻布のモダンフレンチ、Margotto e Baciare。迎えるのは、クリュッグ アンバサダーであり、世界最高峰のトリュフと向き合い続けてきたシェフ、加山賢太と、金沢・大工町の名店、大工町 鮨人を率いる寿司職人、木村泉美だ。


フレンチと鮨。技法も文脈も異なるふたりが、「にんじん」という共通言語を軸に、それぞれの感性と技術を重ね合わせる。加山氏の構築的でレイヤーを意識した皿と、木村氏の研ぎ澄まされた引き算の美学。その交差点に寄り添うのが、クリュッグ グランド・キュヴェ、そしてクリュッグ ロゼである。力強さと緊張感、熟成由来の奥行きと張りのある酸が、料理の構造と呼応し、ペアリングという言葉では収まりきらない体験を生み出すだろう。

各日20名限定、価格は121,000円(税込・サービス料込)。決して気軽なディナーではない。しかし、流行をなぞるのではなく、本質的な価値を自分の感覚で確かめたいと考える大人にとって、この二夜は明確な意味を持つ。シャンパーニュと料理の関係性を、あらためて構造から捉え直す。その知的な快楽こそが、このディナーの最大の魅力なのだ。
■ 「KRUG x CARROT FOUR HANDS DINNER」開催概要
日時  :2026年2月27日(金)、28日(土) 18:00~
シェフ :「Margotto e Baciare」加山賢太氏
     「大工町 鮨人」木村泉美氏
会場 :Margotto e Baciare
     東京都港区西麻布4丁目2−6 菱和パレス西麻布1F
 各日20名様予定
参加費 :121,000円(税サ込)
申込:Margotto e Baciareに直接問い合わせ
   (03-3406-8776

    https://www.margotto.jp/
   もしくはMargotto e BaciareのInstagramアカウントにDMで予約依頼
   (https://www.instagram.com/margotto_e_baciare/

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