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オルネッライアが紡ぐ“ヴェンデミア・ダルティスタ”、今年もニューヨークのグッゲンハイム美術館へ支援を実現

文・山田 靖

ワインとアートの出合いが、未来の芸術を支えていく
イタリア・ボルゲリの名門ワイナリー「オルネッライア」が手がける、アートとワインの融合プロジェクト「ヴェンデミア・ダルティスタ」。その第17回目となる今年のチャリティオークションも盛況のうちに幕を閉じ、ニューヨークのグッゲンハイム美術館を支援するために、30万ドル(約4,400万円超)の寄付されたとニュースが届いた。

このオークションは、現代アートの第一線で活躍するカメルーン出身のアーティスト、パスカル・マルティン・タイユーによる作品が出品されたことでも話題に。タイユーが手がけたのは、2022年ヴィンテージのキーワード「ラ・デテルミナツィオーネ(決意)」をテーマにしたビッグボトルの特別作品。種から芽が出て花が咲き、実を結ぶ――そんな“生命の循環”を鮮やかに描いたそのアートピースは、まさに彼の手腕を感じさせる力作。


これらの収益は、グッゲンハイム美術館が2025年7月15日から開催予定の展覧会「コレクション・イン・フォーカス:近代ヨーロッパの潮流展」のために活用され、貴重な作品の修復や調査・研究にあてられている。

オルネッライアの代表取締役社長ランベルト・フレスコバルディ氏はこう語った。
「世界中のコレクターの皆様、そしてアートに共感してくださる方々に心から感謝します。今回の支援によって、ニューヨークのグッゲンハイムでまた新たな芸術の光が灯ることをうれしく思います。」

オルネッライアの代表取締役社長ランベルト・フレスコバルディ氏

また、グッゲンハイム財団の館長であるマリエット・ウェスターマン博士も、「このご支援によって、これまであまり公開されてこなかった作品を守り、未来へと引き継ぐことができます」とコメント。オルネッライアとの長年のパートナーシップに対する感謝の言葉を寄せている。

“感じるためのワイン”がつなぐ、芸術と社会貢献

「ヴェンデミア・ダルティスタ」は、2006年のヴィンテージからスタートしたプロジェクト。毎年、国際的な現代アーティストを招き、その年のワインの個性を一語で表現し、その言葉からインスピレーションを得たアート作品と特別ラベルを制作します。大判のダブルマグナム(1.5L)やアンペリアル、サルマナザールといった特別サイズのボトルにアーティストの手描きサインが入り、チャリティオークションで世界中のワインラヴァー、アートラヴァーたちの手へと渡っていく。

過去のアート作品

これまでの寄付金は、視覚が不自由な方がアートに触れられる「マインズ・アイ」プログラムなど、グッゲンハイム財団による先進的な芸術支援へと活かされてきました。アートの力が誰かの世界を広げ、ワインがその橋渡しになる――そんな美しい循環が、静かに、でも確かに世界中で広がっている。

このプロジェクトが特別なのは、「ワインを消費する」ことと「文化を支える」ことが、ここでは同義になっているという点。1本のワインを開けることが、未来の芸術を開くことになる。そんな構造が、じつに美しい。

アートを感じながら、ワインを飲む。そして、気づいたら誰かの未来を支えている。
「感じること」が社会とつながる、その入り口にあるのが、このオルネッライアの実験なのかもしれない。
オルネッライアの日本語サイト(外部サイト)は下記
https://www.ornellaia.com/ja

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山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

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