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WINE

ウルトラプレミアムワインを通じて、コノスルの奥深さに触れるワイン・ディナー The Arts Fusion by L’écrinにて開催!

photos by Yuji Komatsu / text by Y. Nagoshi

2万キロの彼方から、コノスルのCEOトーマス・ドメイコ氏とグローバルマーケティングディレクターのフランソワ・ルシャ氏が来日。そして上野のフレンチの名店「The Arts Fusion by L’écrin」にてWhy not?の仕切りでワイン・ディナーを開催させていただきました。参加したワイン好きの皆さんも、もうノリノリで楽しんでいただけたようです。さて、どのような会だったのか、かいつまんでお伝えしましょう。

コノスルが目指すのは

コノスルといえば、自転車が描かれたラベル「ビシクレタ」が有名です。1994年から輸入元のスマイルが取り扱い、まさに日本市場におけるチリワインのシェア拡大の礎を築いたブランドのひとつです。「コノスル オーガニック」の存在も欠かせません。当時はまだ注目されていなかったオーガニック栽培のブドウを用いたワインの、パイオニアでもあります。日本市場でオーガニックワインの販売本数No1.を長年維持していたのは「コノスル オーガニック」なのです! そしてこの日は、さらに上級クラスのファインワインを通じてコノスルの奥深さに触れていただきたい、という会なのです。

CEOトーマス・ドメイコ氏

さて、CEOのドメイコさんがブランド・コンセプトを説明してくださいました。

「最も重要なのは自然との共生です。生態系の多様性を保つためのサステナビリティーな活動が大切です。コノスルでは除草剤の使用をやめたり水資源の使用量を減らすなど、さまざまな取り組みを行っています」。

「そして、これまでコノスルではカベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネールといったチリワインを代表するさまざまな品種を扱ってきました。しかし実は、ピノ・ノワールと白ワインにおいて、世界的に認められるリーディングカンパニーになりたいと考えてきました。20年から30年前は世界中で濃くて重たいワインが望まれていました。しかし今ではより軽やかで食事とも合わせやすい白ワインや繊細な赤ワインが求められるようになってきました。ようやくコノスルの方向性と消費者の嗜好が合致する時代に来たと喜んでいます」。

ちなみに、コノスルはチリでオーガニックワインの第二の生産者。そして醸造長を務めるマティアス・リオスさんは英国の有名なワイン&スピリッツのビジネス誌から、世界のトップワインメーカー100人にも選ばれたことがある人物なのです。

今回のワイン会で登場したワイン 左から:「コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュット 2017」、「コノスル 20バレル リミテッド・エディション ソーヴィニヨン・ブラン 2023」、「コノスル 20バレル リミテッド・エディション シャルドネ 2022」、「コノスル 20バレル リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨン 2020」、「コノスル オシオ ピノ・ノワール 2021&2020」、「コノスル シレンシオ カベルネ・ソーヴィニヨン 2019」

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュット 2017生ハムwithフルーツ

こちらはシャルドネ100%のスパークリングワイン。

「何年か前にプレミアムクラスのスパークリングワイン造りにトライしました。シャンパーニュ地方のドン・ペリニヨンやボランジェなどを訪問するなどし、多くの情報を習得。そして私たちの情熱も込めて造ることができました。熟成によるブリオッシュのような香ばしさもありながら、フレッシュな酸味がもう一口飲みたくさせるのではないでしょうか」と、ルシャ氏が解説。とてもなめらかなテクスチャーと熟したリンゴや洋梨、白桃、柑橘類の香りや香ばしさなども心地よく、余韻のソルティーさも後を引きます。一口サイズの生ハムメロンとはまさにちょうど良い組み合わせで、お代わりがほしくなりましたよ。

グローバルマーケティングディレクターのフランソワ・ルシャ氏

コノスル 20バレル 
リミテッド・エディション 
ソーヴィニヨン・ブラン 2023
✖️
冷製とうもろこしポタージュ
パルメジャーノチーズ

ライムのような柑橘類やハーブを思わせる清々しい香りのこのワインは、冷涼な産地から生まれるソーヴィニヨン・ブラン100%で造られています。

「海沿いのサン・アントニオというとても涼しい産地のブドウを用いています。太平洋には寒流のフンボルト海流が流れていて、そこからの冷涼な風が常に吹き気温は15〜16℃ぐらい。畑がある丘の頂からは太平洋が見渡せます。ソーヴィニヨン・ブランらしいグリーンな香りが特徴です」と、ルシャ氏。

2年前にコノスルを訪問したことがあるという、レカングループの総支配人でエグゼクティブ・ソムリエの近藤佑哉さんはこう言います。

レカングループの総支配人・エグゼクティブ・ソムリエの近藤佑哉さん(右)

「コノスルはクオリティーの素晴らしさで知られています。今日はフレンチのクラシカルなお料理と組み合わせることで、コノスルのワインの品質の高さを実感してもらえればと思います。昔はチリはテロワールを語るワイン産地ではありませんでしたが、今ではそれぞれの地方や地域、地区など、その土地ならではの多様性を語る時代になってきました。そのような地域性も感じながら楽しんでいただきたいです」。

とうもろこしのポタージュにワイン?と思いきや、ポタージュの中にはベーコンがいくつか入っていて、その食感と塩味やスモーキーさがワインを飲みたくさせる味わいでした。

コノスル 20バレル 
リミテッド・エディション 
シャルドネ 2022
✖️
スモークサーモン サラダ仕立て

この「20バレル」シリーズは、コノスルのウルトラプレミアムワインへの挑戦への第一歩となる作品です。

「1996年に、厳選した品質の高い20樽を選び英国にだけ輸出を開始したのが始まりです。当時はまだ20バレルという名称ではありませんでしたが、これをきっかけに命名しました」と、ルシャ氏。ピノ・ノワールが最初で、翌年にカベルネ・ソーヴィニヨンを、1998年にカベルネ・ソーヴィニヨン、そして2002年にシャルドネ、さらに2005年にソーヴィニヨン・ブラン、2008年にはシラーも加わったというわけです。それぞれのブドウ品種にとって最適な土壌と気候を選び、収穫量を制限するなどし、さらに醸造においても特別扱いされて仕込みがされるシリーズです。

このシャルドネは、カサブランカ・ヴァレーの畑で栽培され、小さな箱を使って手摘みで収穫されます。そして、85%はフレンチオークの樽、残りの15%は3,000リットルの卵型のコンクリートタンクによって醸造されます。

「卵型タンクは、電気も人手も用いずに自然に液体が循環するため、オリの攪拌が優しく行われ、それにより豊かさが得られます。また、19か月樽熟成をしているため複雑さがありながらフレッシュな酸味があります。このバランスの良さが飽きない味わいを形成していて、食事との相性もとても良いと思います」と、ルシャ氏。

少しフレッシュなトロピカル系の果実の香りもありながら濃すぎず、バニラやスモークの香りと融合し、なめらかなテクスチャーと爽やかな酸味のバランスが素晴らしい味わいです。ちょうどチリはサーモンの名産地でもあり、スモークサーモンのオイリーさとスモーキーさが、このシャルドネにバッチリ合います。

コノスルといえば自転車!

ところで、コノスルといえばやっぱり自転車!ですよね?でも、その理由をご存知でしょうか。

「ブドウ畑で働くスタッフは、車ではなく自転車で通勤してきます。それほど近所から仕事にきているということです。彼らとともに働き、彼らに敬意を表して、その象徴として自転車をラベルに描いたのが、ビシクレタ・シリーズです」と、ドメイコさん。 コノスルの本社屋を訪問する機会があれば、すぐそばの畑の一角にある大きな樹木に立てかけられている、本当に大きな自転車も見ることができると思います(これは飾り)。もしかしたら、自転車に乗って、畑をぐるりと走り回ることもできるかもしれませんよ。

コノスル渾身のピノ・ノワール! オシオを2ヴィンテージ!!

コノスル 
オシオ ピノ・ノワール 2021&2020
✖️
天然真鯛ポワレ ブイヤベース仕立て

コノスルが、アイコンワインとして20年前にチャレンジを始めたのは、カベルネ・ソーヴィニヨンでもなく、カルメネールでもなく、ピノ・ノワールです。その結果生まれたのが「オシオ」。今でも12,000本のみ生産が可能な、貴重なワインです。

「実は今みなさんにお飲みいただく2021年のオシオは、正式なリリース前なので、みなさんが世界で最初に体験いただく方々です。日本でのリリースは半年後ぐらいかと思います」と、いうから驚きました。

「2021年は、海に近いサン・アントニオの畑のピノ・ノワールで造ったオシオ。2020年は、やはり冷涼ながらサン・アントニオより少しだけ海から遠いカサブランカのピノ・ノワールから造ったオシオ。同じように醸造していながら、産地が異なります。オシオ専用の特別な醸造所があり、人の足で踏み優しく破砕して醸造します。ピノ・ノワールは果皮が薄いので優しく扱うことが大切で、力任せに扱うとジャムっぽさが出てしまうなど私たちが求めている姿から乖離してしまいます。その後ワインを樽に移動させる時にもポンプなどは使用せず、重力を利用しています。樽熟成期間はその年のブドウの出来に合わせて10か月から15か月ぐらいまで調整します」と、ルシャ氏。

2021年は本当にまだ若々しくて香りが開くのはこれから。インクや赤い果実が感じられます。しなやかなアタックと生き生きとした酸が印象的で、タンニンは細やかで味わいを引き締め、全体にエレガントながらバックボーンがしっかりとしていてブドウのエネルギーを感じられます。一方で2020年は、やはりエレガントなのですが2021年と比べるとより丸みのある甘い赤い果実の香りが豊かで、味わいにおいてもまろやかで酸もソフトに感じられて骨太な印象です。産地、ヴィンテージによる違いが如実に現れていています。いずれにしても、ピノ・ノワールのピュアな果実の姿が明るく上品に表現された逸品です。 赤ワインではありますが、ワインがエレガントなスタイルであり、お料理のソースがブイヤベース風のこくのあるしっかりとした味わいなので、お魚ともしなやかな相性でした。

コノスル 20バレル 
リミテッド・エディション 
カベルネ・ソーヴィニヨン 2020

コノスル 
シレンシオ カベルネ・ソーヴィニヨン 2019 

✖️
国産牛頬肉 赤ワイン煮込み

コース料理の最後は、牛頬肉の赤ワイン煮込み。これはまさに上質のカベルネ・ソーヴィニヨンを呼ぶ味わいです。コノスルの最高峰、シレンシオの前に、まずは20バレルのカベルネ・ソーヴィニヨンを。チリで最もカベルネ・ソーヴィニヨンに適した産地と言われている、マイポ・ヴァレー産のブドウを用い、フレンチオークの樽で15か月熟成させているようです。チェリーやカシスなどの果実の香りがストレートに現れ、少しスパイシーさも加わり、果実の甘みとフレッシュさのバランスが良くジューシーで、タンニンとほのかな苦味がしっかりと味わいを引き締めているので、お料理と抜群の相性です。とはいえ柔らかくて飲みやすいので、家では気張らずちょっとしたおつまみと飲んでも良さそうです。

そして、最後に登場したのがシレンシオ。

「これもマイポ・ヴァレー産ながら、アルマヴィーヴァやドン・メルチョーといったチリのカベルネ・ソーヴィニヨンの超プレミアムクラスが生まれるアルト・マイポの特別なカベルネ・ソーヴィニヨンを使っています。樽熟成は17か月と少し長くなりますが、ブドウが凝縮しているので、樽との相性もよりよくなります」と、ルシャ氏。

2019年と1年熟成しているにも関わらず、こちらはまだ香りが閉じ気味で、味わいもまだ少し硬めです。酸もタンニンもしっかりとしてストラクチャーが強く、少し時間が経って温度が上がり始めてからようやくなめらかさが感じられ、まだまだこれから花開くワインだとわかります。 いやいや今日は本当に豪華なラインナップでした!

本日司会を務めたWhynot? 編集長の山田靖さんは、こう言っていました。

「今日みなさんに飲んでいただいたワインはどれも、アフォーダブル・ラグジュアリーと言えるのではないでしょうか。良い週末を過ごしたい時、自分のためのちょっとした贅沢な時間を持ちたい時などに開けていただきたいワインです。お金じゃないよ、センスだよ、という言葉が似合うのではないでしょうか」。

確かに、今では手の届かなくなってしまったワインが多数ありますから、購入可能な範囲内の上質なワインは貴重ですね。

コノスルと二人三脚でチリワインのマーケットを日本で開拓してきた、輸入元のスマイルでブランド担当を務める杉村悠二郎さんも、この会に参加されたみなさんに最後に一言お礼の挨拶を。

スマイル 酒類営業本部 副本部長 杉村悠ニ郎さん

「1994年から輸入を始め、1997年の赤ワインブームからチリのカベルネ・ソーヴィニヨンが広まるなどしましたが、これまであまりチリのプレミアムクラスのワインをお披露目する機会がありませんでした。今日はそのための良い機会となりました」。

チリワインは手頃な価格帯のものが多いので確かにそちらに手を伸ばしがち。でも、上級クラスもまたコストパフォーマンスに優れていることは、言うまでもありません。ちょっと特別な日やお持たせに活用してみてはいかがでしょうか。

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