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WINE

「日本のチーズ(ニセコチーズ工房)と日本ワイン(北海道産ワイン)」ペアリング、これは特筆モノのディナーでした! 次回は6月開催

取材・文/山田 久美子

「ニセコ」というと最近では「インバウンド需要」とか「日本の外国」だとかのキーワードを思い浮かべる方が多いと思いますが、グルマンな皆さんには「ニセコ」といえばチーズ作りに欠かせない質の高い水と牛乳が揃っているチーズの里でもありますよね。そしてこの地を工房に選び家族3人で営んでいる「ニセコチーズ工房」さんは、小さい工房ながらもその品質と新しい作り方への挑戦精神から、さまざまなコンテストで賞を受賞し、現在製造のほとんどを担っている息子さんは「若手の最注目株」と評価されていることはご存知の方も多いでしょう。

こだわりを持ったワインショップのチーズコーナーや、センスの良いチーズフェアなので必ず目にする「ニセコチーズ工房」さんのチーズ、初めてミモレットの「椛momiji」を食した時はその鼻腔を抜ける香りの良さと余韻の長さに驚き、デザートチーズの「雪花」は「1人で丸ごと食べたい!」と切望するほど、チーズの甘みとクリーミーさに周りのパパイヤの果物の甘さが見事にマッチした味わいに悶絶したことを覚えています。

少し前のことになりますが、そんな「ニセコチーズ工房」の生産者、若手の最注目株と言われている近藤さんを招き、東京ステーションホテルにある日本料理店「しち十二候」さんの料理長で黄綬褒章も受賞された齋藤氏がニセコチース工房のチーズを使いオリジナル料理を創作、それに北海道のワインをペアリングするという何とも魅力的なディナー会が開催されると聞き、期待を膨らませて行ってきました。
ちなみに、この企画は毎回日本全国から人気のチーズ生産者を招き、東京ステーションホテル内日本料理店「しち十二候」にて開催。貴重なチーズ5種を味わい、そしてそのチーズを使った「しち十二候」齋藤料理長オリジナルの日本料理を、それぞれに合わせた日本ワインとのペアリングで堪能、シリーズで、日本の食を応援する生産者イベントなのです。

当夜のお品書き

そして期待以上の内容でしたので、詳しくリポートします!

🔳先付

松前漬け + 「椛 momiji」(ミモレット)✖️奥尻ワイナリー 奥尻ピノ・グリ

松前漬けというと甘めの味付けを想像しましたが、こちらは出汁と昆布の旨みを全面に感じる何とも上品な味わい。合わせた奥尻ピノ・グリは、最初はパイナップルのようなトロピカルな香りで、その後に来る海に近い奥尻特有の塩味が昆布の旨みと融合するという、素晴らしいマリアージュでした。

🔳かすべ煮凝り チーズは無し

かすべ煮凝り ✖️ 森臥ワイナリー 森臥バッカス

バッカスが主体の北国らしい爽やかな酸味が、煮凝りの中に入っている針生姜の香りを引き立てて美味しい!繊細な和食と合う品種なんですね。

🔳鍋

石狩鍋 + 粉雪(成熟タイプ)✖️ 山崎ワイナリー ソーヴィニヨンブラン

鮭や帆立が入った魚介出汁が強いお鍋にチーズを溶かしたら、それはもう旨み成分の増しがMAXだよね!という美味しさでした。

山崎ワイナリーのソーヴィニヨンブランは、レモンに近い柑橘系の香りと酸味にかすかな苦味を感じる味わいで、成熟タイプチーズ特有のヨーグルトに近い酸味との相性が最高です。

🔳焼き物

ホッケのちゃんちゃんホイル焼き + 楓(ゴーダ)

ホッケのちゃんちゃんホイル焼き + 楓(ゴーダ) ✖️ 千歳ワイナリー 北ワイン ピノ・ノワール

ホッケのあっさりめの脂身とゴーダチーズの濃厚な風味がとても良く合う一皿でした。ニセコチーズ工房さんでは、ワックス等でコーティングして水分を抜かない熟成ではなく手間のかかるリンデット(皮有り)熟成を行っているため、熟成が進むにつれ水分も抜けてどんどん濃厚な味わいになるそうです!

樹齢15〜35年のピノ・ノワールを8ヶ月樽熟成させた千歳ワイナリーさんの北ワイン

ピノ・ノワールとも、味わいの奥深さが相乗効果となって一口食べる度にこのワインが欲しくなる素敵なペアリングでした。

🔳強肴

エゾ鹿たたき ✖️ワイン熟成 洞爺テラス テラスワイン

味噌ベースのソースにワイン熟成のチーズを混ぜ込んだものをエゾ鹿のたたきに付けて食べるのですが、鹿のあっさりとしながらもジビエ感がある肉の味と発酵✖️発酵のソースが見事な一皿でした。

洞爺テラスのテラスワインは山葡萄系の野生味溢れる味わいなので、これはもう合うに決まっていますよね。

個人的には、このソースだけでテラスワイン1本飲めるかも。

🔳ご飯

どろぶたの豚丼 + 粉雪(フレッシュタイプ)

こちらはご飯にフレッシュタイプのチーズ粉雪が混ぜ込んである豚丼で、甘味のあるタレと濃厚でリゾットのようなご飯が合い過ぎて止まりませんでした!チーズご飯、とても相性よかったです。

🔳水物

苺ぜんざい + 雪花ゆず(デザートチーズ)

あっさりした小豆の甘さと濃厚な雪花の甘さ、ぜんざいに添えられたミントと雪花に散りばめられたゆずの香りがお互いを引き立ていました。
あんことチーズって最近話題の組み合わせですけど、このあっさり感は初めての味!
と、最後まで驚きと感動の連続。

ニセコチーズ工房の近藤さんもさまざまな角度からお話をしてくださり、「ミモレットの椛が卵かけご飯にとにかく合う!」という他のアレンジ料理についても教えていただけるなど、なんとも豪華なディナー会でした。

ニセコチーズ工房の近藤さん

なおこのディナー会はチーズプロフェッショナル協会(CPA)会長の坂上さん、蜂須賀紀子(株式会社マリアージュ)、東京ステーションホテルの日本料理店「しち十二候」がコラボしたイベント。日本のチーズ生産者をお招きし、日本チーズと日本料理と日本ワインを合わせるという特別ディナーシリーズで5回目とのこと。そして、

登場するのは千葉の「チーズ工房 千」

房総半島の自然に抱かれる千葉県長生郡に佇む「チーズ工房千(せん)」は、地元産の新鮮な牛乳を使い、丁寧な手仕事でチーズを仕上げる小さな工房。搾りたてのミルク本来の甘みや香りを活かすために、低温殺菌や無添加にこだわり、自然の力と職人の熟成がその魅力。中でも人気の「竹炭」は、ほどよい塩気が個性的、なのにクセがなく食べやすい。熟成が進むと香りが増し、舌触りもよりまろやかな大人気のチーズ。ブルゴーニュのピノ・ノワールや日本ワインとの相性も抜群で、ワイン好きなら一度は体験すべき味わいと言われています。
今回のワインはワイン講師や食育事業でも活躍している蜂須賀紀子さんによる千葉県のワイナリーを中心に、チーズを使った日本料理とのペアリングを考えたセレクト。入手困難な特別ワインもご用意しているとのことで、大変楽しみですね。
6月のこのイベントも参加申し込み開始と同時に瞬殺で満席になりそうなので、お早めに申し込まれることをお勧めします!

【日本のチーズを日本ワインと日本料理で楽しむ会@しち十二候 Vol.6】
<チーズ工房 千>

 ■日時:2025年6月22日(日)17時〜  
 ■会場:東京ステーションホテル しち十二候
     〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-9-1 B1
 ■定員:30名
 ■参加費:18,000円(税込)
 *参加費は当日、現金またはカードにてお支払いください。
 *当日お持ち帰りいただける貴重な4種のチーズセットをご用意しています(¥5,000 税込)。

<主催者>
日本チーズ:坂上あき(チーズプロフェッショナル協会)
日本ワイン:蜂須賀紀子(株式会社マリアージュ)
日本料理:齋藤章雄料理長(しち十二候)
ナビゲーター:吉田範之(食文化研究所)
<企画・協力>
 東京食文化創研舎

申し込みサイト(外部サイト:Peatix)は下記をタップ

日本のチーズを日本ワインと日本料理で楽しむ会 Vol.6 <チーズ工房・千>

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山田久美子

人材系シンクタンクにて営業・マーケティングに従事。 日々のストレス解消・リフレッシュに水泳とサウナ、その後の晩酌を楽しむ。年に一度は長く休暇を取って、バリ島東部の静かなリゾート地でマインドリセットすることはすでにルーティン。お酒はワイン、ウイスキー、焼酎、日本酒と全般的に大好き。活動エリアは恵比寿と広尾が多いかなっ?。

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