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WINE

大人気セミナーに潜入 グラン・クリュの哲学を――サロン2015とドゥラモットの全貌

文/山田 靖

1月某日、東京のアカデミー・デュ・ヴァン青山校で、あるワインセミナーが開催された。当初は定員24名想定午前中の1回開催が、参加希望者殺到のため定員を増やし、さらに午後にも開催。それでもキャンセル待ちが多数という人気の高さだった。セミナーテーマは「ドゥラモットとサロンをすべて味わう~自分へのご褒美~」
ワインに興味があるひとはもちろん、あまり詳しくない人でも「サロン」というシャンパーニュは「特別」な存在であることは知っている人は多いでしょう。その「サロン」と姉妹ブランドとも呼ばれている「ドゥラモット」についてこの特別セミナーで語り部を務めるのは、信國武洋講師。サロン&ドゥラモットの社長、ディディエ・ドゥポン氏と長年親交を重ねてきた、日本における“サロンを語るに最もふさわしい存在”のひとりです。
本物のシャンパーニュを、本物のソムリエが解き明かす――まさに一日限りの贅沢な体験でした。

信國武洋さん
ジョエル・ロブション氏の元でエグゼクティヴシェフソムリエとして14年間、3万本のワインリストを管理。2021年(株)Heritageを起業し様々なレストランのコンサルタントなど手掛け、世界最大のワインオークションハウス「アッカーメラル」の日本支部のディレクターも務める。2022年1月西麻布に紹介制の会員制ワインバー「兎堂NOBUKUNI」を開業する。

登場したシャンパンパンリストは以下

Delamotte Brut NV 参考小売価格 8,500円
Delamotte Blanc de Blancs NV 参考小売価格 12,000円
Delamotte Blanc de Blancs 2018 参考小売価格 18,000円
Delamotte Rosé NV 参考小売価格 15,000円
Salon 2015 参考小売価格 180,000円
※参考販売価格明記の不粋さはお許し願いたい。

このリスト! 瞬殺で満員になったこともうなずけます。今回はそのセミナーに参加してきましたので、そのレポートを。


舞台は、シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン。
中でもグラン・クリュ格付けの村、ル・メニル・シュル・オジェ。
イギリスのワインジャーナリスト、ヒュー・ジョンソンが「世界に冠たる最も名高いシャルドネの村」と称えたこの地は、栽培比率99.7%がシャルドネ。鋭利な酸と硬質なミネラルを備えた、凛としたブラン・ド・ブランを生み出す地です。
ここで理解しておきたいのが、グラン・クリュとプルミエ・クリュの違いです。
シャンパーニュの村格付けは、かつてブドウ価格指数に基づいて決定され、最高評価100%が「グラン・クリュ」、それに次ぐ90~99%が「プルミエ・クリュ」。

グラン・クリュはわずか17村。テロワールの純度、表現力、長期熟成能力において、最高峰と認められた土地のみが名乗ることを許されます。

サロンの畑とセラーは、このル・メニルにあります。

1世紀でわずか35ヴィンテージしか世に出していないという事実が、その哲学を物語ります。“偉大な年にしか造らない”。それがサロンです。

そして、ドゥラモットは、もともとランスに設立された歴史あるメゾン。現在はル・メニルに拠点を構え、サロンと同じ哲学と土壌を共有しています。
「サロンが造られない年のブドウを使用する」と語られることもありますが、本質はそれ以上です。

同じテロワールを背景にしながら、より親しみやすく、より日常に寄り添う形で表現されたシャルドネ。それがドゥラモット。と信國さんの解説は続きました。
タイトルにある「自分へのご褒美」“ご褒美”とは、消費ではなく経験。
サロンの参考価格は約18万円。確かに高価です。
しかしこの講座の本質は、価格ではありません。

同じグラン・クリュの土壌から生まれた二つのメゾンを、信國講師の解説とともに体験できたこと。もし一人で試飲する機会があったとしても、その背景やドラマまで思い至るコトはできなかったでしょう。

シャルドネという一品種が、年と哲学によっていかに姿を変えるのかを、自らの感覚で確かめること。

それは単なる飲み比べではなく、テロワール理解の深化であり、シャンパーニュという文化の核心に触れる時間です。


“本物”を知ることは、人生を少しだけ引き上げてくれます。
この日、参加されたみなさんはただグラスを傾けるのではなく、
ル・メニルという土地と、ふたつのメゾンの哲学を十分居知り、味わうことができました。
それこそが、最高のご褒美だったのでは無いでしょうか?
この日はシャンパーニュ全般の基礎知識だけではなく、魅力をしるうえで他ブランドの話しも織り交ぜ、立体的にシャンパーニュを掘り下げた信國さんの話術とテーマ選びも流石でした。

シャンパーニュ・サロンを体験できること自体、大変希少で、そのような企画のセミナーが開催されたということが素晴らしい。そして、このようにワインの理解を深めるセミナーをアカデミー・デュ・ヴァンでは単発でこれまでも、またこれからもいろいろと行っていくそうです。ワインスクールとして有名ですが、なにも資格取得のためだけではなく、今回のようなセミナーは自分の知識のアップデート、あるいは明日使える知識のネタとしても仕事でのコミュニケーションに使えるセミナーとしてもオススメです。

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山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

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