ラグジュアリー日本酒ブランドの「SAKE HUNDRED」と日本酒を練り込んだ大人専用アイスクリームの「SAKEICE」のコラボレーション作品を、4月12日東京駅前にオープンした「SAKEICE BAR」で楽しめる! これはインバウンドだけでなく、地方から上京してきた人たち、そしてもちろん首都圏在住のSAKEファンたちにも朗報だ。
「SAKE HUNDRED」は、世界中の人々の「心を満たし、人生を彩る」をブランドパーパスに掲げて2018年に創業したブランドで、フラッグシップの「百光」など複数の高級SAKEをリリースしている。一方で「SAKEICE」は、2020年から発売開始し累計で20万食を達成している日本酒のアイスクリーム。全国29都道府県の蔵元とコラボレーションし、SAKEICEの1個でおちょこ1.5杯分(アルコール度数約4%)も入っているという。
どちらも、日本酒を未来にどう繋げていくのかを考えた起業であることが伺える。
「SAKEICE」を運営する「えだまめ」の成田博之氏は、「SAKE HUNDREDのことは以前から知っていて、日本酒のど真ん中からではないアプローチで、うちも外からのアプローチを行っているため気になっていました」と言う。
「SAKE HUNDRED」を運営する「Clear」の生駒龍史氏は、「適切でヘルシーな飲酒も同時に推進していて、特別な時のためのとっておきの日本酒を提案し、成長してきました。今回は数十にもわたるサンプルを試作していただいての作品」と、コメントした。
プレス発表の話によるとどちらもアジア展開がうまくいっているようだ。海外への日本酒輸出は伸びていて、特にアジア、そして中でも台湾が「SAKE HUNDRED」にとっての最大の市場だという。「SAKEICE」も3年前から輸出し始め、やはり台湾市場が当初の10倍にも膨らみ、日本よりも多く販売される月のあるほど。台湾は今、空前の日本酒ブームで、特にトレンドに敏感な20〜30代の女性ファンがメインであるというから驚いた。ちなみに台湾では、若者が経営主体のオシャレなSAKEバーがいくつもできているようだ。面白い!
日本国内での反応は、「SAKE HUNDRED」にはワインやウイスキーの愛好家からの支持が多いながら、コアな日本酒ファンからも選ばれているのは若干想定外だったという。「SAKEICE」は80%ほどが20〜30代の女性ファンと、台湾に近い感触。いずれにしても、既存の日本酒好きというよりは、幅広い層に波及しているため、これを良いきっかけとしてSAKE文化に触れる若い人が増えるとすれば、日本酒界が賑やかになりそうだ。
さて、前置きが長くなったが、「SAKE HUNDRED」と「SAKEICE」のコラボレーションアイスを味見させてもらったので紹介する。
「SAKE HUNDRED」の「百光」で作った「SAKEICE」は、「百光」の備える洗練されたピュアな要素と、さらりとした食感がミルキーさとほどよく融合した、上品な味わい。
「SAKE HUNDRED」の「弐光」で作った「SAKEICE」は、よりまろやかさや甘さ、ソフトさが感じられ、よりミルキーな味わい。
価格は1個で3,000円と1,200円(いずれも税込)。バーでは複数の日本酒もグラスで飲むこともできて、「弐光」も提供されている(稀少な「百光」の限定販売期間は5月6日で終了)。ただし「SAKEICE」も4%のアルコールが含まれていることをお忘れなく!
(text by Y. Nagoshi)
参考:SAKE HUNDRED「百光 別誂 | BYAKKO BESPOKE」
東京駅前、ヤンマー・トーキョーの1階にオープンしたSAKEICE BAR
東京都中央区八重洲2丁目1−1(17:00〜22:00、定休日なし)