第一回ワイン会「トリエンヌ×ブラッスリー・レカン」開催報告記
去る10月17日、Why not?マガジン主催で初となるワイン会が上野のブラッスリー・レカンにて開催されました。用意されたワインは南仏プロヴァンスの「トリエンヌ」。トリエンヌの輸入元である「ラック・コーポレーション」さんとコラボする形でこのワイン会の企画がスタートしたのは、まだ猛暑真っ只中の7月。
成功させるべくポイントは、ワインを主役としその魅力を最大限に活かしてくれるお料理メニューの組み立て、ロケーションの良さに加えておもてなし全般を安心してお任せできるレストラン選び。結果として編集部がお願いしたのは、レカングループの人気店の1つ「ブラッスリー・レカン」。ここは上野駅の中にありながら、独自の静謐さを醸し出しているレストラン。それもそのはず、以前は国家的行事の時にしか使用されなかった「貴賓室」として使用されていた空間を、当時の内装をそのまま活かし現在はレストランに使用しているという、ワイン会にピッタリなロケーション。


おもてなしは言わずもがなのレカンです。また今回は、若手ソムリエとして注目されているレカングループ 総支配人兼エグゼクティブ・ソムリエの近藤佑哉さんがトリエンヌのワイン全般について語ってくれるという贅沢な仕様。もちろん、ワインは近藤さんだけでなくブラッスリー・レカンの支配人・酒井基裕さん、料理長の末竹範大さんにも事前に試飲していただき、ワイン会成功への外堀は埋まりました。



ワインのラインナップとお料理
ではここで、ワイン・トリエンヌについて少しだけ解説しましょう。ブルゴーニュ好きでなくとも知らずにはいられない大御所、「ドメーヌ・デュジャック」のジャック・セイス、「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」のオベール・ド・ヴィレーヌ氏、そしてパリ在住の友人ミシェル・マコー、この3人によるプロジェクトであり、南仏プロヴァンスで1990年に立ち上げられたワイナリーです。場所はエクサン・プロヴァンスの東、バンドールの北に位置する小さな村ナン・レ・バン。ここは少し内陸にある小高い丘にあるため、日中は気温が上がり暑いけれど夜は気温が下がるという日夜のコントラストがあり、畑は南向きの斜面で粘土石灰質土壌となっています。今回ワイン会に参加いただく皆さんにトリエンヌの魅力を堪能していただき、なおかつ特別な体験もしてもらいたい!という編集部の要望に、ラック・コーポレーションさんは「ならば」と以下のワインを用意してくれました。
I.G.P. メディテラネ レ・ゾーレリアン・ブラン 2021
I.G.P. メディテラネ ロゼ 2021
I.G.P. メディテラネ ヴィオニエ・サント・フルール 2020
I.G.P. メディテラネ レ・ゾーレリアン ルージュ 2013と2019の垂直で用意
※2013はマグナムで用意
I.G.P. メディテラネ サン・トーギュスト 2014と2019の垂直で用意
I.G.P. メディテラネ メルロー 2019
2種類のワインは2ヴィンテージの垂直で味わいの比較を体験とメディテラネ レ・ゾーレリアン ルージュ 2013はマグナムでの用意という豪華さです。そしてお料理は……

ホタテのマリネと白ワインのジュレ

×
鴨、鳥、豚、フォアグラのパテアンクルート

真鯛のヴァプール 白ワインソース 旬の野菜を添えて

Fromage

※2013はマグナムで用意 ×
和牛のサーロインサンドイッチ

猪バラ肉シヴェ ジュニエーブルの香
近藤佑哉さんの貴重なワインお話にも大満足
近藤佑哉さんは、場の雰囲気を和ませてくれながらもワインの魅力のポイントをしっかりとおさえた解説をしてくださり、参加者のみなさんは熱心に聞き入られていました。特に2ヴィンテージの垂直試飲でのコメントを抜粋すると
「レ・ゾーレリアン ルージュ 2013/2019」2013年はマグナムボトルで、これはスケール感が大きい。10年経過しても若々しい状態(このレンジで10年以上熟成に耐えうることがすごいです)で、涼しいヴィンテージということもありとてもフレッシュ。2019はクリーンでピュア、ストラクチャーもしっかりしている。一般的にはI.G.P.というカテゴリーは、その産地の品質が平均して高いレベルにあるAOCよりもカジュアルなレンジだと認識されている。ただ、レ・ゾーレリアンの段階から、トリエンヌのワインはいわゆるI.G.P.のレベルから突出しているとわかります。
「サン・トーギュスト2014/2019」トップレンジのサン・トーギュストはさらに凝縮感がある。自然環境を大切にし、有機栽培認証も取得しているトリエンヌのシンボルマーク猪に合わせて、今回は猪バラ肉シヴェをご用意。※下記は編集部の感想2014年はスパイシーで少しドライフルーツのニュアンスも出始めている。味わいもストラクチャーがしっかりしているがタンニンがこなれてきて今とても美味しく飲める状態。2019年はとても若々しくフレッシュ。生き生きとして凝縮感ある味わいで、まさに何か肉類を食べたくなる。とても柔らかで聞かなければ猪と思えないこの一皿と絶妙の相性でした。
参加者からの感想を少々

「同じアイテムをヴィンテージ違いで飲めたのが面白かった。とても違う!というのがわかった」
「あのブルゴーニュの大御所が関わっているなんて!という驚き。今まで「トリエンヌ」という名前は聞いたことがあったけれど、飲むのも初めてで、同じ造り手のワインをこんなに並べて飲む機会はなかった。とても美味しかった!またこういう会があれば、また参加したい」
「ロゼは単体でもとても美味しかったです。赤は注がれて少し時間が経って、さらに料理と合わせてとても味が引き立つ印象を持ちました。 ワインに合わせた料理を出せるレカンの底力なのか、食中酒としての正しい在り方を追求したワインなのか、しかもこの価格帯で、と感服しました」
「楽しく美味しいワイン会でした。トリエンヌのワインは、初めて頂きました。シャープな酸味が心地よく爽やかな白ワイン。ポリシーを持ったロゼは大好き 赤ワインは、これから美味しく熟成されると期待してます。垂直のテイスティングは、ワイン会だからできるので、とても良かったです」
「バックビンテージの2013、2014は購入可能ですか? 素晴らしいワインとワイン会でした。非常に満足度の高い会でした。ありがとうございました。また、同じような会がありましたら、参加させていただきたいです」
「普段は料理にワインを合わせるところ、ワインに合わせて料理を用意するペアリングにより、ワインの真価が感じられました」
参加者の皆さんが満足されていただけたようで、次回開催への意欲もまた沸いてくるというもの。第二回目の企画が決まり次第、告知いたします。
今回参加できなかった方もぜひ次回はご検討いただきたく、また、楽しく、美味しく、ちょっとためになるワイン会を企画します。みなさん、ありがとうございました。
最後に、ブラッスリー・レカンのお得なニュースを。

お料理もワインリストも素晴らしいお店ですが、ここはB.Y.O.(=自分たちが飲みたいワインを外から持ち込むこと)もOKなんです。ただ大抵は1,000円~5,000円の抜栓料を取るのが普通。なので持ち込みOKといっても、日本ではなかなか割高感がついてまわり利用者も増えませんが、ブラッスリー・レカンでは持ち込み料(抜栓料)はなんと0円(無料)。支配人の酒井さんは「オンリストしているワインはもちろんオススメしますが、飲みたいワインを持ち込みたいというお客様の要望に最大限お応えできるお店です。お店でお出しするお料理がお客様に必ず喜んでいただけると自負している、お料理で勝負するお店です。飲みたいワインをお気になさらず持ち込んで、合わせるお料理を相談してください」
ね、素晴らしいでしょ!
ブラッスリー・レカン
東京都台東区上野7丁目1−1 アトレ上野レトロ館
問合せ/03-5826-5822