文/紫貴 あき
紫貴あきの「今夜」ワインが飲みたくなるはなし 25 the glass of wine
グラスに注がれた瞬間、きらめく泡が地中海の光を思わせる――そんな特別なスパークリングワインが、スペインが誇る「CAVA(カバ)」です。太陽に育まれたブドウと、爽やかな海風に抱かれた畑から生まれるカバは、一口飲むだけでスペインの空と大地、そして人々の笑顔が浮かんでくるような不思議な力を持っています。
カバは「地中海の泡」
カバはスペインを代表するスパークリングワインであり、「地中海の泡」と呼ぶにふさわしい存在です。最大の生産地であるカタルーニャ地方を中心に、地中海性気候の恵みを受けた畑から収穫されたブドウからつくられます。昼夜の寒暖差がしっかりある環境で育つブドウは、果実味豊かでありながらも、きれいな酸を備えています。そのためカバの味わいは「透明感」があるが魅力です。
飾らないおいしさ
カバの大きな特徴のひとつは、補糖を行わないことです。通常のスパークリングワインでは、ブドウ果汁に糖分を加えてアルコール発酵を行うのが一般的ですが、カバはブドウそのものが持つ自然な糖分で発酵を進めていきます。そのため出来上がったワインのアルコール度数はおおよそ11.5~12%。飲み疲れせず、すっと体に馴染む優しい仕上がりになります。
出荷前の「ドサージュ(糖を加えること)」も控えめ、もしくは「ゼロ」にしているカバが多いのも特徴です。だからこそ、ブドウそのものの良さがグラスに映し出されます。澄み切った味わいから畑の風景が広がるような、まさに「地中海を飲む」感覚を楽しめるのです。
現代人にフィットする理由
現代を生きるわたしたちにとって、このカバのスタイルはとても心地よいものです。健康志向が高まるなかで、アルコールも軽やかで自然体のワインが求められています。そのうえ、甘さが抑えられ、素材そのものの味を生かすカバは、食事との相性も抜群。アルコールも抑えられているので、平日の夜のリラックスタイムはもちろん、休日のブランチやランチなど、幅広いシーンでも支持されます。
多彩な楽しみ方
楽しみ方に幅があるのも魅力的です。フレッシュなカバは前菜やサラダ、魚介料理と合わせれば地中海の爽快な食卓そのもの。熟成を経たカバは、ナッツやチーズ、旨みのある肉料理にも負けない複雑さを見せます。乾杯から食中、そして食後まで、どの場面でも使えるのがカバの頼もしさです。
特別な機会を見逃さないで:CAVA DISCOVERY WEEK
さて、このカバの魅力を体験する絶好のチャンスが、間もなく東京でやってきます。2025年10月20日(月)~10月31日(金)に、都内の一流レストラン7店舗で「CAVA DISCOVERY WEEK(カバ ディスカバリーウィーク)」が開催されます。

このイベントでは、カバを美食の料理とともにペアリング体験できます。参加店舗には和食、フレンチ、イタリアン、中国料理など多彩なジャンルが揃い、それぞれの料理と相性を考えた特別メニューが用意されます。
さらに注目すべきは、すべての提供店で「カバ・デ・グアルダ・スペリオール」の銘柄が揃えられる点です。熟成を重ねたレセルバ(18ヶ月以上)、グラン・レセルバ(30ヶ月以上)、そして最上級のパラヘ・カリフィカード(36ヶ月以上)の各クラスが揃います。そして今年は特に特別。2025年より、レセルバ以上のすべてのカバがオーガニックへ移行しました。 初心者の方にも、普段カバを飲んでいる方にも、新たな驚きと発見が待つイベントです。料理と一緒に味わうことで、カバの魅力をより深く感じられるはずです。

カバとの出会いは、いつも新しい発見をもたらします
地中海の陽光や風土、そしてつくり手の思いが宿るスパークリングワイン「カバ」。グラスを傾ければ、その背景にある物語を感じていただけるはずです。
CAVA DISCOVERY WEEKは、その魅力を五感で体験できる特別なイベント。気になるレストランで「カバディスカバリーウィークの予約です」と伝えれば、カバの世界の扉が開きます。 次の乾杯は、ぜひカバで。繊細な泡と透明感あふれる味わいとともに、スペインの空気を感じてみませんか。
紫貴さん、オススメの一本

Cavas Hill Panot Gaudí Brut Nature NV
フレッシュな柑橘に、焼きたてのパン・ド・ミを思わせる香りが重なる。「Brut Nature」は糖分添加をほとんど行わないスタイルで、透明感のある爽やかな飲み口が魅力です。酸は穏やかで心地よく、地中海の陽光と海風に育まれたブドウならではの優しさが感じられます。
CAVA DISCOVERY WEEK 参加レストラン 詳細はココをタップ(外部サイト)
CAVA DISCOVERY WEEK WEBサイトはココをタップ(外部サイト)
『紫貴あきの「今夜」ワインが飲みたくなるはなし』バックナンバーはこちらから