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Don Sattoniの美味礼賛 Dish.05

終わりなき“食の冒険家”Don Sattoniさんが培ったグルメ勘、独自の情報網、絶対味覚から
このお店の「美味しい」は何か、その深淵を毎回考察します。

10年連続でミシュランの星を獲得しているパレルモの「bye bye blues」が丸の内に。

SALONEグループが10年連続でミシュランの星を獲得している「bye bye blues」を”輸入”したので、お邪魔してきた。現在SALONEグループの統括料理長の樋口敬洋氏が修行していたことから生まれた今回のプロジェクトは、樋口シェフの20年越しの願いでもあったらしい。店舗にあったシェフのパトリツィアのイタリア語のメッセージを私なりに意訳してみた。

私の料理の哲学は地中海から来ており、材料は基本的には地中海産のものを使用しています。野菜は可能な限り地域の小規模生産者から購入し、魚も地元の漁師から仕入れています。調理に関しては、素材の特徴を損なわず、その時代に合わせた技法を取り入れてます。女性の料理人として栄養価にも気を配り、健康的な食事を心掛けております。

私は、食への情熱を失わないシチリアの家族に生まれました。歴史を尊重し、同時に新しいものにも魅了されてきました。このようなことが背景となって私の料理は形となり、更に熱意と想像力で伝統を刷新し、「bye bye blues(バイバイブルース)」の物語をスタートさせました。キッチンは料理を披露する「劇場」、ゲストはその「観客」と捉え、シンプルでありながらエレガントで独特の風味を持つものを目指してきました。お客様にはシチリア島、海、太陽を是非感じて欲しいと願っています。

さようならや悲しみを意味した「bye bye blues(バイバイブルース)」という店名は、お客様にその日1日に起きた悲しみや嫌な気分をドアの外に残してもらうための招待状という考えからきています。私はこれまで多くの犠牲を払い粘り強さでレストランを続けてきましたが、「シチリア島初のミシュランの星を獲得した女性シェフ」という成功によって報われました。これからも常にお客様のことを念頭に置き、お客様と食材の両方に最大限の敬意を持って料理をしていきたいと思います。私の信条は、未来を見据えてシチリアの伝統について常に考えることです。自分の土地を愛し、自分の料理でお客様が何を感じるかということを愛し、料理を更に追及していきたいと考えています。

「bye bye blues TOKYO」は、「bye bye blues」の料理をそのまま持ってきているが、唯一異なることは、パトリツィア自ら日本の産地をまわって出会った日本の食材を使っていることだという。先日、ミシュラン3ツ星の女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダChefのスペイン料理のグランメゾン「レストラン サンパウ」が残念ながら閉鎖となったが、長く続くことを願いたい。

DATA
bye bye blues TOKYO
住所/東京都千代田区丸の内2丁目7−3, TOKIA, 1F 東京ビル
営業時間/ランチ 12:00~(L.O. 13:00) ディナー 18:00~ (L.O. 20:00)
TEL/03-6812-2131

定休日/無休(年末年始除く)
https://www.byebyeblues.tokyo/

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Don Sattoni

Don Sattoni

終わりなき“食の冒険家”

大学を卒業後、マーケティングや商品開発に始まり、自身の事業会社を東証に上場させる。その後、海外での会社経営、投資、サッカーチームのオーナー等、グローバルに活躍する。服飾関連会社の相談役も長年務め、とりわけイタリア製布地や時計の知識については右に出るものはいない。 食材へのオブセッションが高じて、オリーブオイルなどの食材を販売する輸入会社も設立。器好きでもあり、この分野でも作家とのコラボレーションを展開し、ショップのオーナーでもある。一番ハマっている趣味は魚釣りで、季節が変わる毎に、魚を追って全国津々浦々の港を漁師と回る。料理の腕は、プロも顔負け。 現在は、ロンドンと東京の二拠点生活を楽しむ。

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