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Don Sattoniの美味礼賛 Dish.01

終わりなき“食の冒険家”Don SattoniさんがWhy not?マガジンに登場です。
培ったグルメ勘、独自の情報網、絶対味覚からこのお店の「美味しい」は何か、その深淵を毎回考察します。

第一回目は西麻布「明寂」。開店7ヶ月で「二つ星」の快挙の理由を考えてみた

文・写真/Don Sattoni

「一平飯店」をオープンしたばかりの”トリプルクラウン”林亮治氏が「田中田西麻布店」の跡地に出した日本料理店「明寂」を初訪。開店してわずか7カ月でのミシュランスピード掲載、しかも二つ星獲得!という快挙。その理由を3つの考察から自分なりに考えてみた。

1 4種類の塩と2種類の水を駆使


おまかせの最初に出てきたのが塩と水だけで調理された大根の水煮。まず、これに驚いた。大根の持つ旨味をベトナム産の塩を使って最大限に引き出している超絶美味な逸品だった。

2 創造性


どの料理もアイディアに富むものだったが、絹に見立てた黄身が白い卵を薄焼きにして、丁寧に焼かれたイワナと寿司飯を巻き込む「絹巻寿司」を挙げたい。見た目はシンプルながらも、深い味わいがとにかく素晴らしかった。

3 食材にあう調味料を独自開発


からすみ蕎麦をモチーフに、自家製十割蕎麦にかかっていた鯛の頭を使って作った粉末のパウダーや、いかの御造りに合わせたいかを干して丸ごと裁断したいか塩など、食材のパワーを引き出す為の自家製の調味料が秀逸で、これらが他店との強烈な差別化につながっている。

店主の中村英利さんは、料理専門学校卒業後18歳から日本料理一筋で腕を磨き、赤坂の懐石料理店「花のれん花楽」の料理長を経て、林亮治氏とタッグを組んだ。食べた後に素材を感じることができるおまかせコース3万超の高級和食店。茶禅華同様、そう遠くないうちにもうひとつ星が増えるような気がします。

DATA
明寂
住所/東京都港区西麻布3丁目2−24 B1F
Tel/050-3101-3945
営業時間/17:00~23:00
定休日/日曜日・不定休
https://myoujyaku.com/

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Don Sattoni

Don Sattoni

終わりなき“食の冒険家”

大学を卒業後、マーケティングや商品開発に始まり、自身の事業会社を東証に上場させる。その後、海外での会社経営、投資、サッカーチームのオーナー等、グローバルに活躍する。服飾関連会社の相談役も長年務め、とりわけイタリア製布地や時計の知識については右に出るものはいない。 食材へのオブセッションが高じて、オリーブオイルなどの食材を販売する輸入会社も設立。器好きでもあり、この分野でも作家とのコラボレーションを展開し、ショップのオーナーでもある。一番ハマっている趣味は魚釣りで、季節が変わる毎に、魚を追って全国津々浦々の港を漁師と回る。料理の腕は、プロも顔負け。 現在は、ロンドンと東京の二拠点生活を楽しむ。

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