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日本橋本町にあなたのリストに加えてほしいワイン・ビストロがある!

「Rogue Hill NIHONBASHI」(ローグヒル日本橋)

昔、京橋にある某出版社の男性ファッション誌の編集部で働いていたとき、仕事が終わるのは時計の針がてっぺん過ぎることなんて日常茶飯事。編集長に企画のダメ出しされ、ファッション撮影の再撮を命じられたり、日々変わる台割りの作成など、心身ボコボコにされて、疲れ切って会社をでても銀座駅まで歩いているうちに銀座の街の佇まいに癒やされ、元気がチャージされることは多々ありました。そんな思い出があるからか、今も銀座から日本橋方面を歩いていると、なんだか正しい大人でいられる、あたかも上品な自分になった錯覚?になる、とても好きな街です。

ちょっと、前置きが長くなりましたが、先週、知り合いに誘われお邪魔したお店は日本橋の「Rogue Hill NIHONBASHI」というワインダイニング&バー。当日は仕事を少しだけ早く切り上げ、銀座から歩いてお店に向かいました。日本橋の端のほうではあるけれど、銀座4丁目交差点からひたすら日本橋にまっすぐ歩いて15分強くらい。
このあたりの日本橋になるとオフィスが多く飲食店は少なくなってきます。自転車に子どもを乗せたお母さんと何人かとすれ違い、ファミリー層も多く暮らしていることもなんとなく想像できます。で、メインストリート1つ曲がると「Rogue Hill NIHONBASHI」は目に飛び込んできます。ビルの1階(路面店)にあるのでが、どこか一軒家のような錯覚を受けます。

迎えてくれたのは保坂オーナー夫妻。旦那様がお料理を作り、奥様はカウンターでワインを選んでくれます。お酒はワイン中心(もちろん、ビールやスピリッツもあるのでご安心を)です。お店のワインリストは米国ワイシントン州・オレゴン州のワインのみ!。フランス、イタリア、オーストラリアなど眼中にない潔さ! 個人的にはこの偏り好きです。夫妻はコロナ前にワシントン・オレゴンに行かれて、ワイナリー巡りもしてきた筋金入りのオレゴン・ワシントンワインラヴァーです。

へーぇ、アメリカの首都ワシントンはワインも造っているんだ!→激しく間違い!

ここで、間違ったイメージを持っている読者はかなり存在しそうなので、ちょいと説明を。まず、「オレゴン」は大昔の日本テレビドラマで舞台にもなったことがあるので、なんとなく馴染みがあるヒトもいるだろう。でもワインのイメージよりは「オレンジ」かな? 問題は「ワシントン」。アメリカの首都でもワイン造っているのね。と思ったヒト!!「ブブッー」。それは大きな間違い。首都ワシントンは東海岸でN.Y.の上ね。ワシントン州は西海岸。アメリカ最大のワイン産地カリフォルニアの上に位置します。北上していくとカリフォルニア州→オレゴン州→ワシントン州→カナダという位置関係(※画像参照)。ちなみにオレゴン州の州都はセイラム(ポートランドではないよ)、ワシントン州の州都はオリンピア(シアトルではないよ)。
米国のワイン生産量は1位はダントツでカリフォルニア州、第2位がワシントン州、第3位がオレゴン州ですが品質はカリフォルニアに決して負けない、エントリーレベルからカルトワインなど素晴らしいラインナップが揃っています。
はい、勉強はここまででお終い。

オレゴン・ワシントンワインのことをもっと知りたいかたこココをタップ

話を「Rogue Hill NIHONBASHI」に戻そう。
いただいたお料理とワインについて少し。旦那様の保坂玄さんは以前、某人気タイ料理店で研鑽を積んだことがあり、お店のフードメニューはフレンチタイキュイジーヌという構成。ワインはお料理ごとにグラスでいただきました。

「三種の前菜の盛り合わせ」にはスパークリングでまずは一息つきます。これはこのお店の前菜の代表3選手(「牡蛎の自家製スモーク」「季節のフルーツ、ナッツ、クリームチーズ、生ハムの前菜」「濃厚ポテトサラダ」)の登場という豪華な盛り合わせ。
ワインは「ミッシェル ブリュット ドメーヌ サン ミッシェル  NV」
ワシントン/コロンビアヴァレー

2皿目は「キノコのフラン 雲丹クリームソース」。3種類の茸を卵と生クリームでふんわりと仕上げている。合わせたのはピノ・グリ。お料理は見た目クリームが重そうだが、食べてみるとピノ・グリの爽やかさが丁度いいです。
ワインは「ソーコル ブロッサー ドライ ピノ グリ 2022」
オレゴン/ウィラメット・ヴァレー

3皿目は次なる名物は「ペーパーチキン」という名のフライドチキン(このお料理はシンガポールの有名地元料理)。その名の通り紙で包んだまま鳥のモモ肉を揚る一品。ただ、フライドチキンと書いてしまいましたがちょいとイメージは違うかな? これ某グルメ雑誌で紹介されて、お客さんが殺到した人気メニュー。紙でくるんであげているからか、くどさはなく、ジューシー。合わせたのはリースリング。果実味が強く、食事の相棒にリースリングは安定感は個人的には◎の好みです。
ワインは「スノークォルミー ワインメーカーズ セレクト リースリング 2017」
ワシントン/コロンビアヴァレー

メインは口中に入れるとホロホロと崩れるように溶けていくような「じっくり煮込んだスペアリブ」を赤ワインで締めました。
ワインは2種類「ダンハム セラーズ スリー レッグド レッド 2020」ワシントン
「クーパー・マウンテン・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール ウィラメット・ヴァレー2021」
オレゴン/ウィラメットヴァレー

同行した友人と近況語り合いながらの食事に、お店の居心地もよく。初めてお邪魔したお店なのに、まったりと美味しい時間を過ごしました。

お店は8名くらいのグループにちょうどいい仕切られたスペース、4人席のテーブルとカウンターに分かれています。カウンターは会社帰りのビジネスパーソンの一人客の常連さん、一見さんがふらりと入ってくることも多く、そんなときにこのカウンターは、知らない同士でも会話を進む雰囲気を造るという。それはきっとオーナー夫妻の人柄がお店の雰囲気を醸し出しているからかもしれない。

ぜひ、皆さんも日本橋に行かれたときは、渋く老舗の蕎麦屋さんやうなぎ屋さんに行くのもいいけれど、やっぱりワインが飲みたいなぁ、となったら、間違った選択をして台無しにならない「Rogue Hill NIHONBASHI」という選択が大正解になること編集長の私が保証します。

「Rogue Hill NIHONBASHI」
住所/東京都中央区日本橋本町4丁目5-16 Lynx日本橋本町
TEL/03-6262-0974
営業時間/17:30~23:00
定休日/日曜日・祝日※隔週で土曜日定休
※お店に電話で確認を。

最後に!
ワシントンのリースリングといえば、私のオススメは「チャールズ スミス ワインズ カンフー ガール リースリング」。ワイン名もエチケットもなかなかなぶっ飛び系ですが、すごく飲みやすく、値段も2,000円後半なので、ぜひ一度探して飲んでみてください。

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