パイパー・エドシックは、カンヌ映画祭の公式シャンパーニュであったり(1991〜2020年)、ジャン・ポール・ゴルチエやクリスティアン・ルブタンとのコラボレーションを行ったり、オシャレで艶っぽさを感じさせるシャンパーニュのメゾンとして知られています。そして2019年からは、メルボルンで開催されるテニス国際大会のひとつである全豪オープンの公式シャンパーニュでもあります。
このパイパー・エドシックから、黒ブドウだけから造る白いシャンパーニュ「ブラン・ド・ノワール」が登場しました。大手メゾンの中では珍しいケースです。さて、どんなワインなのでしょうか。
「エッセンシエル ブラン・ド・ノワール」
名前の通り、黒ブドウだけから造るシャンパーニュです。ピノ・ノワール80%とムニエ20%です(モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・バールの東向きの畑から、10のクリュ)。ヴィンテージは記されていませんが、初試みのためこのキュヴェは2019年のブドウだけを用い、36か月以上の瓶内熟成を経て、デゴルジュマン。ドザージュは5g/ℓと少なめで、エクストラ・ブリュットのカテゴリーに入ります。
「パイパー・エドシックのスタイルとして、フレッシュさをブラン・ド・ノワールでも表現しました。もちろん私のテイストでもありますが」と、エミリアンさん。確かに、シャルドネを思わせるような、モダンで上品なブラン・ド・ノワールの姿でした。フローラルで、洋梨や白桃のような果実、ラズベリー、ブルーベリーなどの香りが広がります。なめらかで心地よいテクスチャーとフレッシュさ、快活さがパイパーらしい印象です。
「ロゼ・ソヴァージュ」
こちらのキュヴェもエミリアン・ブティヤさんが自ら手がけた作品です。前任者のレジス・カミュさんが20年ほど前に赤色を呈したロゼをリリースして多くの人を驚かせたのですが、エミリアンさんの代になりこちらもモダンなスタイルへと戻すことにしたそうです。2018年収穫のワインがベースで、リザーブワインを25%ブレンド。ブドウ品種はピノ・ノワール50%、ムニエ25%、シャルドネ25%。クランベリーやチェリー、白果実など、ロゼらしいフルーティーな香りで、実に生き生きとした味わいです。
パイパー・エドシックでは、シャンパーニュ地方のサステナブル認証”VDC” 、フランス政府のサステナブル認証 “HVE”のレベル3を取得していることに加えて、社会的および環境的影響の高い基準満たす企業に与えられる”B Corp”認証をシャンパーニュで初めて2002年に取得しました。こういった企業の取り組みは今後さらに重要性を増しそうです。
(Y. Nagoshi)
輸入元:日本リカー