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WINE

フェヴレ二世紀の軌跡を祝う、一夜限りのブルゴーニュディナー フェヴレ200周年記念ワインディナー開催

文/山田 靖

――ブルゴーニュが刻む、二世紀の時とともに

1825年、フランス・ブルゴーニュのニュイ・サン・ジョルジュに誕生した老舗メゾン「フェヴレ」。
その歴史が200年を迎える2025年、長い時間を紡いできたメゾンの軌跡を祝うワインディナーを、Why not?マガジン主催、北参道「LE BISTRO」にて開催いたします。
ワインを、特にブルゴーニュを愛する者にとって、それは単なるワインディナー会ではなく、特別な一夜となること間違いなし。二世紀の情熱と革新にグラスを傾ける、素敵なひとときを楽しみましょう。


フェヴレは、いまやブルゴーニュを代表するグラン・メゾンとして知られていますが、その本質は“家族の物語”にあります。1825年の創立から7代にわたり受け継がれてきた精神は、「時代に寄り添いながらも、土地の声を聴く」という確かな哲学に貫かれているのです。
4代目ジョルジュ・フェヴレは、利き酒騎士団「コンフレリー・デ・シュヴァリエ・デュ・タストヴァン」の創設に名を連ね、ブルゴーニュの文化を守り続けた人物として知られています。そして現在は、7代目のエルワン・フェヴレが舵をとり、伝統に革新を重ねる新時代を切り開いています。

フェヴレが他のネゴシアンと一線を画すのは、その“自社畑主義”にあります。
所有畑はおよそ120ヘクタール。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、エシェゾーといったグラン・クリュを筆頭に、プルミエ・クリュ、さらにはコート・シャロネーズのモノポールまで幅広く手掛けています。
その広大な畑のうち、実に8割が自社栽培のブドウから造られる“ドメーヌもの”であることは特筆すべき事実であります。
土地の個性を最大限に生かすシュール・ムジュール(オーダーメイド)の醸造を続けるその姿勢こそが、フェヴレという名を今日の頂点へと導いたのです。

コート・シャロネーズにおけるフェヴレの存在感も際立ちます。
第一次世界大戦後、産地が疲弊していた1933年、当時の当主ジョルジュ・フェヴレがこの地の潜在力を見抜き、開墾を始めました。以来、メルキュレイ、ジヴリィ、リュリィ、モンタニー、ブーズロンへとその版図を拡大し、数々のモノポールを所有するに至り、今では「コート・シャロネーズといえばフェヴレ」と称されるほど、この地の名声を高めた功労者とも言えます。

7代目のエルワン・フェヴレ(画像・左)氏とマーケティング担当でも妹のエヴさん

若き7代目エルワン・フェヴレが継承したのは2005年。
25歳の彼はすぐさま改革に取り組み、長期熟成型だったスタイルを、若いうちからも楽しめるエレガントなスタイルへと進化さると同時に、コート・ド・ニュイの赤だけでなく、コート・ド・ボーヌの白にも注力。バタール・モンラッシェやビアンヴニュ・バタール・モンラッシェといったグラン・クリュを獲得し、壮観なラインナップを完成させています。
「伝統を守りながら、未来をつくる」――その意思が、今のフェヴレを動かしているのは明らかです。

今回のワインディナーでは、そんなメゾンの精神を体現する銘柄が並びます。
白の華やぎと透明感を感じる2022年ブルゴーニュ・シャルドネ、ラドワのミネラルが際立つレ・マルヌ・ブランシュ。
続く赤は、コート・シャロネーズを代表するモノポール、メルキュレイ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ミグラン。
そして、フェヴレの象徴とも言えるニュイ・サン・ジョルジュ・レ・サン・ジョルジュ、ジュヴレ・シャンベルタンのクロ・デ・ジサール。
クライマックスを飾るのは、唯一無二のモノポールであるコルトン・クロ・デ・コルトン・フェヴレ・グラン・クリュ――。
画像左から
●ブルゴーニュ シャルドネ 2022 白(Bourgogne Chardonnay 2022)
生産地方:ブルゴーニュ/ブルゴーニュ ブラン
格付け:レジオナル
品種:シャルドネ100%

●ラドワ レ マルヌ ブランシュ ブラン 2022 白(Ladoix Les Marnes Blanches Blanc 2022)
生産地方:ブルゴーニュ/ラドワ セリニー/ラドワ
格付け:ヴィラージュ
品種:シャルドネ100%

●メルキュレ プルミエ クリュ クロ デ ミグラン(モノポール) 2022 赤 (Mercurey 1er Cru Clos des Myglands (Monopole)2022 )
生産地方:ブルゴーニュ/メルキュレ/メルキュレ
格付け:プルミエ・クリュ
品種:ピノ・ノワール100%

●ニュイ サン ジョルジュ プルミエ クリュ レ サン ジョルジ 2022 赤(Nuits-Saint-Georges 1er Cru Les Saint-Georges 2022)
生産地方:ブルゴーニュ/ニュイ サン ジョルジュ/ニュイ・サン・ジョルジュ
格付け:プルミエ・クリュ
品種:ピノ・ノワール100%

●ジュヴレ シャンベルタン プルミエ クリュ クロ デ ジサール (モノポール)2022 赤 (Gevrey-Chambertin 1er Cru Clos des Issarts (Monopole) 2022)
生産地方:ブルゴーニュ/ジュヴレ シャンベルタン/ジュヴレ・シャンベルタン
格付け:プルミエ・クリュ
品種:ピノ・ノワール100%

●コルトン クロ デ コルトン フェヴレ グラン クリュ(モノポール)2021 赤(Corton Clos des Cortons Faiveley Grand Cru (Monopole) 2021
生産地方:ブルゴーニュ/アロース コルトン/アロース・コルトン
格付け:プルミエ・クリュ
品種:ピノ・ノワール100%
この6本を、一晩の着席式ディナーで堪能できる機会は、まさに奇跡に近いと自画自賛。

会場となる北参道「LE BISTRO」は、木の温もりと都会的な洗練が共存する名店。
一皿ごとにワインが引き立ち、ワインが料理の余韻を伸ばすよう綿密に設計されたペアリングディナーを用意いたします。
グラスを重ねるたびに、土地の記憶と造り手の哲学が少しずつ立ち上がってくる――そんな時間になることでしょう。

さらに当日は、ワインジャーナリスト・柳忠之氏が登壇。
フェヴレ現地に幾度も足を運び、現地で培った知見をもとに、各キュヴェの背景とテロワール、そしてエルワン・フェヴレの哲学を紐解いていただきます。ワインを“飲む”だけではなく、“理解する”時間。
造り手の息遣いまで感じるような、深く豊かな体験が待っていることに主催者としても胸が躍ります。

柳忠之さん

冬の訪れを前に、ブルゴーニュのエッセンスを五感で味わい尽くす特別な夜。
年末の慌ただしさが始まる前に、静かにグラスを満たし、心を解きほぐす特別な夜。
二世紀の時を経てもなお輝きを放ち続けるフェヴレとともに、時間の深呼吸を楽しもうではありませんか。

――ブルゴーニュを知るとは、フェヴレを知ること。
その言葉の意味を、あなたの五感と心で確かめる夜になることでしょう。



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