お酒を自由に楽しみ、セレンディピティな出会いを

WINE

「ダイナースクラブ フランス レストラン ウィーク 2023」今年も開催!

今年で13年目を迎えた「ダイナースクラブ フランス レストラン ウィーク」は北海道から沖縄まで全国各地から約500店舗ものフレンチレストランが参加して、ふだんフランス料理に馴染みのない一般の皆さんにも気楽にフランス料理を楽しんでもらおうと企画されたグルメイベント。ダイナースと冠名はあるものの、ダイナースカード会員以外でももちろん参加可能だ。今年は9月22日~10月15日までの24日間開催される。
また、フランスと日本は「フレンチガストロノミー」が2010年に、「和食」は2013年ユネスコ無形世界遺産に登録され、両国は、食というテーマにおいて美食の国として世界的にも認知されているという共通項もある。フランスのレストランではスーシェフ(副料理長)が日本人という場合も多い。なにかと食に関して日本とフランスは親しい関係ともいえるのではないだろうか?
「フランス料理をお得に楽しむ24日間」、これは「フランス レストラン ウィーク」のうたい文句。参加レストランでは2,500円~のコースを用意していたり、「日本の食文化を応援!トレ・ボン 日本のテロワール」をキーワードに、和食材を取り入れたフレンチの特別コースも用意され、フレンチと和の融合を味わうことが出来る。また「親子クッキング教室」なんてイベントもあり、フレンチを身近に感じるための24日間でもある。

二人のシェフが「和の食材」を通してコラボレーション
「フォーハンズランチ/ディナー~Le dîner à 4 mains~」

左からスーシェフのメディ・ブセナシェフさん、「ル・カモンド」料理長ファニー-・エルパンさん、「Opuses (オウパセズ)」料理長の十楚武志さん

13年目を迎えたと前述したが、ここ数年はCOVIT19ダメージもあり、海外の著名シェフが来日してのイベント開催は難しかったが、2019年以来今年は日本人シェフとのコラボレーションが復活した。
今回、そのコラボレーションランチに参加という幸運な機会をいただいた。レポートとしてお伝えしたい。イベントの事後記事は終わってしまった情報でもあり読者の皆さんには興味も薄いかもしれないが、このイベント全体のテーマが詰まっているコラボランチでした。
2名のシェフ、4つの手が織りなす特別コースということで、コラボ名は「フォーハンズランチ/ディナー~Le dîner à 4 mains~」。
フランスからのスペシャルゲストシェフは、パリ8区にある「ル・カモンド」のファニー-・エルパンさんがスーシェフのメディ・ブセナシェフさんを連れて来日。日本のフォーカスシェフは銀座「Opuses (オウパセズ)」の十楚武志さん。このコラボレーションのため両者は半年前からオンラインでミーティングを重ね、「和の食材」と「フレンチ」の素晴らしいシナジー溢れる料理を練り上げてきたという。

※フォーカスシェフ:今年は北海道から沖縄まで全国約 500 店が参加。中でも世界的に有名なレストラン・ガイドで見事に星を獲得した店など、いま日本のフレンチ業界で特に注目を集めているシェフ 16 名を全国のフレンチレストランから選出。その16名のシェフのこと。

まず、着席と同時に振る舞われたのはやはりフレンチですからシャンパンの「マム グラン コルドン」。二人のシェフの紹介とおふたりそれぞれからこれから始まるコラボレーションランチを存分に楽しんで味わってほしいと、挨拶と共に乾杯で幕をあけた。

アミューズはファニーシェフによる「鱒のヴェルジュ、濃厚ブイヨン」
滋賀県琵琶湖でとれた新鮮なマスをブドウでマリネし、そのブドウの果肉とマスタードをあえたソースを下に敷いて、マスの濃厚なブイヨンを掛けた一品。
合わせたワインは「マム グラン コルドン」
スターターから琵琶湖の鱒という豪華な食材。鱒は淡泊だったけど、ブイヨンによって味が引き締まっている。シャンパンの「マム グラン コルドン」がいつもよりドライに感じられたのは、ブイヨンの濃厚さからか?

二番目のアミューズは十楚シェフの手による「海と山をテーマにした2種類のスープとスナック」
「山」は七谷鴨のコンソメと天然茸のスナック仕立て。普段から愛用しているという「七谷鴨」ガラを使った旨味を凝縮したコンソメスープ。「海」は魚の頭や甲殻類の殻からのスープ ド ポワソン グリエール。オウパセズでは、普段からメインの食材とはならない部位を活用し、料理に厚みを加えているという。素材を捨てること無く全てを活かすサステイナビリティへの表現でもあるのだろう。
合わせたワインは「セント マルガリート ファンタスティック ロゼ 2022」
プロヴァンスのドライなロゼはやはり万能だ。フレッシュな味わいが料理を引き立ててくれた。

前菜に続く次のオードブルはファニーシェフによる「味噌をアクセントにしたアーティチョークヴィネグレット」
フランス、ブルターニュ産アーティチョークをまるごとオーブンで焼き、ヴィネグレットソースで味付け。白味噌をアクセントにするという一品。フランスでも白味噌は愛用されていて、これを使うことによって味わいにバランスをもたらしてくれるという。まさに和とフレンチの融合。こちらもロゼがピッタリ。ただ最初に出されていた「マム グラン コルドン」も合わせてみたらとてもよかった。マムといいロゼといい、このワイン1本で通してもいいくらいと思わせたワインだった。

メインの1品目は十楚シェフの「鰻と茄子、発酵パイナップル コンテ」
十楚シェフが一推しする石川県の生産者、高農園のナスを使用。茄子と鰻の柔らかさや食感をコンテチーズがうまく調和させていた。こちらも和のエッセンスたっぷりの一皿。
合わせたのは「ブラン ド シャス スプリーン 2019 ブラン ド ボルドー」セミヨン主体にソーヴィニヨン・ブラン。スッキリした味わいがぴったり。

メイン二品目はファニーシェフの「モダンポトフ」
ほうれん草で巻かれた牛テール。人参は、まるごとオーブンで焼き、オレンジとオニオンをかりかりにしたパウダーがちりばめられる。フランスの家庭料理でもあるポトフをファニーシェフが大胆に解釈したまさに「モダン」である。
合わせたのは「シャトー シャス スプリーン 2008 ムーリ」

ヴァローナのショコラを使ったデセール
日本のフルーツとハーブを使った小さなタルトの小菓子

2人のトップシェフがそれぞれの料理におけるレーゾンデートルと料理人としてのアイデンティティがぶつかり合うというよりも、調和した1つのコースなっていたところが素晴らしかった。フランス料理を再認識するというありきたりのテーマでは無く、「和の素材」をフランスガストロノミーがどう解釈したのかを料理という作品で答えをだしてくれたわけだが、これは今回各地で参加しているレストランのシェフも今回は「和の食材」を取り入れたコースを創作しているので、それぞれのシェフが独自のスタイルで答えをだしているのだと思うので、それを皆さんぜひ「フランス レストラン ウィーク2023」に参加しているレストランを訪れてみてはいかがだろう。

さらに詳しいプログラムはココをタップ

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
山田_yamada 靖_yasushi

Why not?マガジン編集長。長くオールドメディアで編集を担当して得たものをデジタルメディアで形造りたい。座右の銘は「立って半畳、寝て一畳」。猫馬鹿。年一でインドネシア・バリのバカンスはもはやルーティン。

  1. 「東京 インターナショナル バーショー 2024」が5月11日・12日(日) 東京ドームシティ・プリズムホールにて開催!

  2. ハリー・ポッターにも出てきた世界最古のお酒「ミード(蜂蜜酒)」。日本の蜂蜜と水から醸造した「WICKED WAY MEAD」が登場

  3. 初の「全国 牡蠣-1 グランプリ」が開催。生食・加熱で全国一位を獲得した牡蠣はこれだ!

RELATED

PAGE TOP